東大がシュレーディンガーの猫状態の光を量子テレポーテーションさせることに成功したらしい! シュレーディンガーの猫とはどんなネコなのか

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    東大がシュレーディンガーの猫状態の光を量子テレポーテーションさせることに成功したらしい! シュレーディンガーの猫とはどんなネコなのか

    量子コンピュータの実現に向け大きく前進!?

    シュレーディンガーの猫」は量子力学パラドックスとして非常に有名ですが、なんと東大が「シュレーディンガーの猫状態」の光パルス量子テレポーテーションさせることに成功したらしいのです。

    本題に入る前にシュレーディンガーの猫についてザックリと説明いたしましょう。「シュレーディンガーの猫」とは、物理学者のシュレーディンガーが提唱した量子論に関する思考実験のことです。

    量子力学において粒子は、様々な状態が「重なりあった状態」で存在するとされています。

    素粒子の状態は観測するまで分からない。これは「本当は決まっているけれど観測するまで分からない」のではなく「素粒子は様々な可能性の重ね合わせの状態にあって、本当に決まっておらず、観測するまでどういう結果がでるか分からない」のである。さらにいえば、観測者にとって不確定というだけでなく、素粒子自身にすら分かっていない。

    なんとも不思議に聞こえる話ですよね。その粒子の状態は確率で表されるのです。

    さて、これは「目に見えないミクロな世界」での話ですが、「目に見えるマクロな世界」には量子力学のルールは適用されないのでしょうか?

    シュレーディンガーは「目に見える世界にも量子力学の効果を簡単に表すことが出来るけど...そしたらおかしなことになるっしょ? 」と言いました。

    蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れる。箱の中には猫の他に、放射性物質のラジウムを一定量と、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れておく。もし、箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスを吸った猫は死ぬ。しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、猫は生き残る。一定時間経過後、果たして猫は生きているか死んでいるか。

    110418cat2.jpg

    ラジウムのアルファ崩壊の確立が50%だとすると、箱の中の猫の生死の確率はそれぞれ50%づつです。つまり箱を開けて確認するまで、猫は生きている状態と死んでいる状態が重なりあっている状態になってしまっているよと言えます。しかしそんな不思議なことことありえるんでしょうか? といったパラドックスをシュレーディンガーはこの思考実験で示しました。

    さてさてここで本題ですが、今回東大が行った実験は、猫と同じく目に見える光ビームをこの「シュレーディンガーの猫」のように2つの状態が重なりあったまま量子テレポーテーションさせることに成功したらしいのです。(ってことだよね? ) すげーな。

    量子テレポーテーションなら原理的に間接的な観測ということになるから、普通に観測すれば保たれないはずの重なりあった状態の情報が失われないんだとか。

    110418cat3.jpg

    重ね合わせの性質を失わず情報を伝送できれば量子情報通信量子コンピューター実現に向けて大きな一歩となります。特に超大容量光通信への極めて重要な一歩なんだそうです。

    ということで、僕もここまで書いておいてあれですが、よくわかりませんね。東大がやってるんだからたぶん凄いことなんでしょうきっと。量子コンピュータとか夢がひろがりますね...。

    東大、シュレーディンガー猫状態光パルスの量子テレポーテーションに成功[日経プレスリリース]

    シュレーディンガーの猫 [Wikipedia]

    量子力学 [Wikipedia]

    量子テレポーテーション[科学技術解説]

    (鉄太郎)