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◆◆◆講演会のお知らせ◆◆◆

【TPPは日本の国富拡大、国益推進に有益なのか?】~ 中野剛志氏&三橋貴明 トークセッション ~
 ◆日時: 平成23年2月19日(土)
 ◆時間: 14:00頃開始予定
 ◆場所: 未定(東京都内)
 ◆会費: ¥3,000  ※後援会員は¥1,000割引となります。
 ◆内容: 新著「デフレ時代の富国論(ビジネス社)」を題材に、中野剛志氏と三橋貴明が政治や経済、アメリカの戦略などを論議
お申し込みは、こちら ←から。

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 昨日は宇都宮の「桜ゼミナール1月「マスコミに騙されない、経済の読み方」」に、会場の限界を超えるほどの方々にお越し頂き、まことにありがとうございました。
 講演後、わたくしがサインをさせて頂いた「今、世界経済で何が起こっているのか?」をお忘れになられた方がいます(写真をご一緒に撮らせて頂いた際に、置き忘れたのだと思います)。会場のほうで預かって頂いておりますので、ご連絡してみてください。


ネバダレポート:2001年、日本の財政破綻を既に見越した国際通貨基金(IMF)が、 日本の債権をどのように管理するのかをシミュレーションしたものと「言われている」。永田町を中心に、日本の政治家や官僚、金融機関にまで広がり、何と国会でも取り上げられる事態になった。


 さて、上記の怪文書「ネバダレポート」ですが、わたくしが最初に読んだ際の感想は、
「な、何で、IMFなの・・・・」
 というものでした。


 何しろ、日本は世界最大の対外純資産国(=世界一のお金持ち国家)で、政府の負債(いわゆる国の借金)も100%日本円建てなのです。日本政府が日本国内から日本円建てで金を借り、債務返済が問題になったところで、「国際通貨」基金(IMF)の出る幕はありません

 IMFは、アジア通貨危機時の韓国、98年のロシア、01年のアルゼンチン、08年のアイスランド、そして10年のギリシャ、アイルランドと、「外貨(もしくは共通通貨)建て対外債務(注:政府の債務とは限りません)」の問題解決しかしませんし、できません。

 要するに、日本政府の負債は、IMFとは「無関係」ということになります。


 ある家庭の息子がご両親からお金を借りており、その返済問題に、隣町のAさん(他人)が乗り込んできて、
「息子をわたしの支配化に置き、完全管理の下でご両親に金を返済させよう」
 と言い放つようなものです。間違いなく、警察を呼ばれるでしょう。


 要するに、上記ネバダレポートを書いた人間も、あるいは流布した人間も、「対外債務と対内債務の区別、あるいは外貨建て債務と自国通貨建て債務の区別すらつかない上に、そもそもIMFが何の機関か理解していない」ということになります。


 これはまあ、推測ですが、
「家計の金融資産1400兆円を、国の借金が超えたら破綻する!」
 などと、統計的に有り得ない説を創作したのと、同じタイプの「匂い」を感じます。


 経常収支黒字国である日本の場合、政府が国債を発行し、景気対策をすると、民間(主に家計)の金融資産が増えてしまいます。お金が「銀行⇒(貸付)⇒政府⇒(支出)⇒企業・家計⇒(預金)⇒銀行」と流れていくだけなのです。


 上記の「説」を考えた人は、政府が負債を増やしたとき「そのお金が最終的にどこに流れるか?」などについては、全く考えていないということになります。アホです。


【日本の各経済主体の資産(上段)と負債(下段)の推移 (単位:百万円)】

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出典:日本銀行「資金循環統計」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_32.html#Junkan


 上記の通り、バブル崩壊以降、政府の負債が増えると同時に、家計の資産が増えてしまっています。
 デフレから脱却できないため、政府が景気対策を打ち、支出をしても、それがそのまま家計の資産(主に現預金)として滞留し、銀行の預金残高が増え、相変わらず貸付先がないため過剰貯蓄問題が解決せず、デフレが続き、政府が国債を発行し、銀行が喜んで(低金利で)金を政府に貸し(=国債を買い)、政府が景気対策を打ち、支出をしても、それが・・・・
 という、バカバカしい循環が発生していることがわかります。


 この嫌な循環から日本が抜け出せないのは、上記のネバダレポートや「家計の金融資産を超えたら破綻説」など、鬱陶しくかつ「嘘」の情報を、堂々と発信する連中が一因になっているのは間違いありません。何しろ、今や政治家までもが「嘘」の破綻説を堂々と口にするような状況になってしまいました。


 というわけで、本日メインは、久しぶりの竹本秀之様からのご投稿、「検証 ネバダレポート」になります。(超面白いです!)


-----------投稿 「ネバダ・レポートを検証する」(竹本秀之)--------
 ネバダ・レポートは出所もわからない怪文書である。その内容は、2001年に日本の財政破綻を既に見越した国際通貨基金(IMF)あるいはIMFに近い筋が、 日本の財政破綻後の再建策をシミュレートし作成したものと言われている。ここではできるだけ「陰謀論」を排除して確認できる事実から私なりの分析をしてみたい。

 ネバダ・レポートを扱っている多くのサイトが、「IMFはアメリカの代理人」と見なしている。アメリカが最大の影響力を持つという意味では、この指摘は正しい。
 一方で、現在、菅直人内閣で財務副大臣を務めている五十嵐文彦民主党議員が、国会でネバダ・レポートを元に自民党政権を追及した2002年当時、総理大臣は小泉純一郎だった。

 不思議に思いませんか?
 ネバダ・レポート系サイトは、一方で小泉・竹中をアメリカの犬と言い、郵政民営化を非難している。他方ではアメリカの代理人であるIMFが、日本をIMF管理におく計画を策定しているという。
 失礼な言い方になるが、小泉・竹中が本当に「アメリカの犬」であるならば、IMFとして応援する理由はあっても、批判する理由がないと私は考える。主張が支離滅裂だ。

 誰がネバダ・レポートを広めたのか?
 「ネバダ・レポート」でグーグル検索して、トップに現れるサイトがある。財政赤字カウンターなるものが回っている。
 URLを出すと個人攻撃ととられかねないので出さないが、リベラル・ユートピアを目指すとある。


 さらに読むと元グリンピース・スタッフ寄稿記事や、「アジアとつながる平和外交」、「脱原発」、「ダムが国を滅ぼす」といった記事が出てくる。
 このサイトを見る限り、ネバダレポートを拡散して日本国民の不安を煽っていたのは、左翼系市民活動家のようだ。しかも民主党のサギフェスト、失礼、マニフェストと内容が被っている。
 ネバダ・レポートを最初に取り上げたのは民主党の五十嵐議員だが、拡散したのは「プロ市民」/左翼活動家のようだ。

 最初に五十嵐文彦民主党議員が、国会でネバダ・レポートに関して質問をし、このレポートは広く知られるようになった。その質疑は下のURLで読むことができる。

第154回 衆議院予算委員会(第10号2002年2月14日)、民主党五十嵐文彦議員
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0018/main.html

 やりとりは、議事録のちょうど真ん中あたりで起きている。
 読んでいただけるとわかるが、五十嵐文彦民主党議員(現在、財務副大臣)は、ネバダ・レポートがIMFの意向を反映した文書だという前提で話している。ところがネバダ・レポートがIMF、またはそれに近い筋により書かれたという証拠は全く示していない

 民主党になって、政府債務は自民党時より増えた。
 これは2002年に五十嵐議員が国会で厳しく追求し非難された事態だが、五十嵐副大臣はどう考えているのか? 言行不一致ではないか? 責任を取らないのか?
 いや、政府債務が増えたから増税で補いますというならば、総選挙で直近の民意を問うべきだ。何故ならば、埋蔵金があると主張して国民を欺して民主党は選挙に勝ったからだ。
 マニフェストは楽しいファンタジーでした、ドラゴンボールは無かったので増税しますという態度は、あまりに国民を馬鹿にしている。

 以下は私の推論になるのだが、国債発行による景気対策で、日本の景気が回復することを望まない勢力(特定中国+特定ロシアなど)と、国内東アジア共同体勢力が「もう国債発行は限界だ」とプロパガンダを垂れ流すことで、国民の不安を煽ったと考える。


 そして、ネバダレポートの目的は日本の国債残高に警鐘を鳴らすことではなく、国債発行による景気回復の阻止、日本経済の弱体化、中国を中心にした東アジア共同体の確立にあったと考える。ここで、小渕元総理の不慮の死を取り上げたいのだが、そうすると陰謀論になるので控える。

 誰が国家破産ビジネスを考えたのか知らないが、日本の財政を健全化せよと説教をしていれば、講演会とか出版の売り上げがあり、国の将来を真剣に憂う人と見なされ、恐らく中国から「援助」が入り、国から補助金をもらい、優雅な生活ができる。美味しいビジネスだ。

 
 一方で、長期金利の低下という事実を挙げて「日本の財政破綻がおきるという予兆は現在ない」と主張すると、「国民に危険な幻想を持たせるな」と、財政破綻派から叩かれる。これはいくら何でもおかしいと思いませんか?

 最後に2点、指摘する。多くのネバダ・レポート・サイトが
「2005年1月20日、政府の経済財政諮問会議が行われ、「構造改革が進まなければ」 日本は5年後に財政破綻する
 と付け加えている。
 もう、5年経っているが、日本は財政破綻していない。むしろ2010年、長期金利が1%を割るまで国債が買われた。少なくとも、この部分は明確に間違っていた。だが財政破綻派は間違いを認めず責任も取らない。
 また、五十嵐民主党議員の行った行為、すなわち国会という日本最高の意思決定の場において、出所不明の怪文書を出し、与党を問いつめるというのは、議員としてあまりに稚拙だ。まさに見逃された「永田メール」だ。
 そうじゃない、ちゃんとした文書だというならば、五十嵐副大臣はご自分が保有されているネバダ・レポートなるものを公開すべきだ。


 国民には憲法で保障された知る権利があるのだから。
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 竹本様、ありがとうございました!


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