子どもの頃、「サイダーは甘いけど、コーラはちょっと辛い(からい)」とか、「炭酸のなかでは、スプライトがいちばん辛い」なんて話を姉妹、友人などでしたものだった。

「辛い」というのは、もちろん「炭酸を強く感じる」ということ。

これって、どういう違いなのだろうか。

一部「強炭酸」をうたっている商品や「ガスレベル」を表記している商品もあるらしいけれど、基本的には炭酸の強弱は表示されていないだけに、飲んでみないとわからない。
また、近年不思議に感じるのは、同じ商品シリーズのなかでも、「カロリーゼロ」とか「カロリーオフ」のほうが、辛く感じること。
ゼロ炭酸の場合、甘さが控えめだから、炭酸を強く感じるということ? それとも、炭酸の入り方が違うの?
飲料メーカー数社に聞いてみたところ、回答は以下のようなものだった。

「同じ商品シリーズにおいては、ガス圧(炭酸の入り方)は同程度となっております。ガス圧は具体的にはご案内しておりません」
「炭酸のガス圧自体は、基本的にどの商品も同じようなものです。
甘味料については、種類や量・組み合わせによって、製品ごとにそれぞれの甘さの立ちあがりが違うように使い分けていますので、辛み・甘みの受け取り方は、個人差の出るところかと思います」
「炭酸のガス圧は同じくらいですが、強く感じるかどうかは、個人の受け方によるかと思います。また、製品の保存状況や保存期間によっても異なる場合があります。たとえば、同じ商品でも、ペットボトルの場合など、どうしても時間がたつと炭酸が抜けていく傾向はありますので、製造期間の関係で、新しいもの・保存状態の良いもののほうが、炭酸を強く感じる可能性はあります」

その他に、ある飲料メーカー関係者は、以下のようなコメントをくれた。
「炭酸の強さの感じ方の違いは、フレーバーや甘味料の関係があるかもしれません。もともと人工甘味料には独特のクセがあるのですが、炭酸を強くすることによって、クセを感じにくくすることができるので、ゼロカロリーの場合には炭酸を強くしている商品もあるかと思います」

メーカー側の説明はいずれも「ガス圧はほぼ同じ」ということだったけれど……。そういえば、「ゼロ炭酸は、後味があまり好きじゃない」なんて言う人もいる。
これが、人工甘味料のクセってことだろうか。
一つ言えるのは、「強い炭酸」が好きな人は、製造年月日の新しいもの、あるいは賞味期限の長いものを選ぶと良いらしいこと。

これからジメジメして炭酸が美味しい季節になりますね。
(田幸和歌子)