仲裁判断「ただの紙くず」 中国元外交トップ、南シナ海巡り
【北京=共同】中国の戴秉国・元国務委員は米ワシントンで5日講演し、フィリピンが南シナ海の領有権問題を巡り国連海洋法条約に基づき申し立てた仲裁手続きで、仲裁裁判所が12日に示す判断は「ただの紙くずだ」と批判、中国は受け入れないとの姿勢を強調した。中国外務省が6日までに講演内容を公表した。
戴氏は胡錦濤前指導部で外交担当トップを務めた。12日の判断は、中国に不利な内容になるとの観測が強まっている。
戴氏は「米国が10の空母戦闘群を全て南シナ海に派遣したとしても、中国人は恐れない」と述べ、米国に南シナ海問題へ介入しないよう求めた。
仲裁結果が出ても「違法」だとして「誰も中国に結果を押しつけることはできない」と主張。仲裁結果を基に「フィリピンが挑発的行動をとらないようにしなければならない。さもなければ中国は黙っていない」とけん制した。