バリデーションエラーメッセージの取得

CakePHP 2.xになってバリデーションエラー時に返却されるメッセージのデータ形式が変更になったようです。1.3系では、ひとつのフィールドに対して返却されるメッセージは一つのルールのみですが、2.xではエラーとなったルールのメッセージが配列になって返されます。

複数ルールを設定して、全てのルールを実行する方法(2.x系・1.3系共通)

バリデーションはモデルの$validateに設定した各ルールを上から行っていきます。デフォルトでは、ひとつのルールがエラーとなるとそのフィールドに対するバリデーションを停止しますが、'last'=>falseを設定するとエラー有無にかかわらず後続のバリデーションルールも実行するようになります。3つある場合は、1つ目・2つ目に設定するようなかたちになります。

// 例
var $validate = array(
    'errormsgtest' => array(
        'email' => array(
            'rule' => array( 'email'),
            'message' => 'Not email!',
            'last' => false
        ),
        'notempty' => array(
            'rule' => array( 'notEmpty'),
            'message' => 'Empty!',
        ),
    ),
);

validationErrorsとvalidateErrors

バリデーション処理後、エラーがあった場合、

$this->[Model名]->validationErrors

を使用してエラーメッセージを取得することができます。

似たようなもので

$this->validateErrors

がありますがコレ自体でバリデーション処理を行います。二重にvalidatesしないよう"validationErrors"の方を使うようにして下さい。

エラーメッセージの内容(1.3系では)

最後にエラーとなったバリデーションのメッセージを返します。上の例でいうと、入力値('errormsgtest')がブランクの場合、

  • デフォルトの状態('last'がtrue)では、ルール名'email'でバリデーションを終了させるため、Not email!'
  • 'last'をfalseに設定した場合は、ルール'email'がエラーとなっても最後('notempty')までバリデーションを実行するため、'Empty!'

が返却されます。

// ログに出力
$this->log( $this->[Model名]->validationErrors, LOG_DEBUG);
// viewに渡す
$this->set( 'valerror', $this->[Model名]->validationErrors);
// セッションに渡す
$this->Session->setFlash( $this->[Model名]->validationErrors);

// ログ出力例
// 'last' => trueの場合
Array
(
    [errormsgtest] => Not email!
)
// 'last' => falseの場合
Array
(
    [errormsgtest] => Empty!
)

エラーメッセージの内容(2.x系では)

やっと本題。配列で返します。
'errormsgtest'がブランクだった場合は、

  • デフォルトの状態('last'がtrue)では、ルール名'email'でバリデーションを終了させるため、'Not email!'のみ
  • 'last'をfalseに設定した場合は、ルール'email'がエラーとなっても最後('notempty')までバリデーションを実行するため、'Not email!'と'Empty!'

が返却されます。

// ログに出力
$this->log( $this->[Model名]->validationErrors, LOG_DEBUG);
// viewに渡す
$this->set( 'valerror', $this->[Model名]->validationErrors);
// セッションに渡す
$this->Session->setFlash( $this->[Model名]->validationErrors);

// ログ出力例
// 'last' => trueの場合
Array
(
    [errormsgtest] => Array
        (
            [0] => Not email!
        )
)
// 'last' => falseの場合
Array
(
    [errormsgtest] => Array
        (
            [0] => Not email!
            [1] => Empty!
        )
)

今回は、バリデーションエラーメッセージのデータの取り扱いについてでした。
基本的には、'last'=>falseを多用するより、エラーメッセージの伝え方でユーザに入力をうまいことやってもらうのが一番いいですよね~。
上の例でいうと、どちらもEnter email!としておけばいいですし。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

Jsヘルパーを使用してAjax更新

更新処理でページ遷移を伴う場合、ページ全体をレスポンスするのに対して、Ajax処理ではページの一部のレスポンスが可能となるためサーバからの通信量を抑えることが可能となります。デモ head

recursive設定によるfind()性能改善

CakePHPでは、モデルにアソシエーションを設定している場合、recursive(=>joinする階層)はデフォルトで0に設定されています。「recursiveゼロ」の意味するところとは、「1跨ぎま

Blowfishを使用してハッシュ化する

使用方法 Blowfishを採用してハッシュ化を行う場合、Securityクラスのhashメソッドを呼び出します。第2引数に'blowfish'を指定し、第3引数を指定しないもしくはfalseにしま

selectボックスを実装

今まで、selectボックスのgroupを作成するのにSet::Combineを使用していましたが、意外と簡単にできることに気付いてしまったので、ご紹介。(自分だけ知らなかったことに気付いた と言った

RSSフィードの取得

コンロトーラ public function getrssfeed() { try { $newsItems = $this->Rss->read( 'http://

Js/Cssファイルの読み込みや出力する方法

CakePHPのHTMLヘルパーにはjsファイルやcssファイルを読み込むためのメソッドが用意されています。ファイルを読み込むのに加えて、出力先を複数指定できるようになっています。 また、インライン

アップロードファイルのバリデーションルール

CakePHP 2.2や2.3になってファイルアップロードに対するルールがコアバリデーションに追加されているようで、まとめてみました。 コアバリデーション 関連しそうなルールは以下の4つの

パス定数と変更方法やURLの取得

CakePHPは基本的にはディレクトリそのまま配置することで構築が可能ではありますが、設定パスを変更することでセキュリティに考慮した構成にすることや運用性をもたせたものにすることが可能になります。

ユーザ登録(仮登録・メール・本登録)

以前1.3版で投稿した「ユーザ登録」処理の2.x版を作成しました。フローは同じで以下のようにします。 1. メールアドレス・パスワードでユーザ登録 2. この時点では仮登録として、本登録用のU

ログローテーション

CakePHP 2.xではbootstrap.php内にあらかじめアプリケーションログの設定が書かれています。2.xで日付ごとにログファイルが切り替わるよう設定してみました。 日ごとにログを切り替え

Comment

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    PAGE TOP ↑