『数学文章作法 基礎編』を読みました。

本書は『数学ガール』で有名な結城浩先生の書かれた本です。数学ガールの他にも私はメルマガなども読んでいて、やわからで落ち着いた文章のファンだったりします。

そんな結城先生の文章、この『数学文章作法 基礎編』を読むと少し近づけるのでは?と思って読んでみました。

※ちなみに「すうがくぶんしょうさくほう」です。さほうでなく。

主題はシンプル:読者のことを考える

主題はコレです。

読者のことを考える

数学文章作法、という本のタイトルではありますが、仕事や勉強などで自分のやったことや考えた過程と結論を他人にロジカルに説明する場合に有効な考え方やテクニックが書かれています。

私が具体的に適用したいなと思ったシチュエーションは

  • 仕事で作るマニュアル・手順書
  • 仕事で作るノウハウ集
  • 仕事で作るプレゼンや報告資料

をつくるとき、です。

私は気軽に技術メモを残すような、ちょうどこのブログのようなアウトプットはハードルを下げてポンポン出せるという点で得意なつもりです。一方、上に挙げたようなアウトプットを作るのがほんとうに苦手で。

得意とはいかないまでも、なんとか苦手意識を払拭できるキッカケになればなと思いながら読みました。

そこでこの主題。普段の自分を振り返ってみると、たしかに資料などを作る際に「自分の言いたいことをいかにして伝えるか」といったことに意識が向いてしまっている気がしました。

そうではなくて、大事なことは「読者のことを考える」こと。

言われてみれば当たり前ですし、「よーし、読者のことを考えて書くぞ!」と思うところまでは行けるのですが、じゃあどんな点に気をつければ読者にとって良いのか、がわかりませんでした。

読者のことを考えるにあたって気をつけるべきポイントが書かれている

本書では様々なポイントについて、時に例を交えながら詳しく説明されています。たとえば第6章の「問いと答え」のところ。

文章の中で適切に「問い」と「答え」を用いると、読者にとってわかりやすいという内容です。この中で「どう問うか」についても触れられています。

悪い例:否定形での問いかけ

それでは, x^2>=0を満たさない実数は存在するのでしょうか.

これを改善した例が

改善例1:否定形を避けた問いかけ

それでは, どんな実数でもx^2>=0を満たすのでしょうか.

です。否定形がない方が素直に読めます。

といった用に、悪い例と改善例がセットで出てくるのでこの本の内容自体が読みやすくなっています。こうしたポイントが沢山載っているので、一度に全部をがんばるというよりは、たまに読み返して少しずつ自分の文章について気をつけられるようになる、という使い方がよいでしょう。

まとめ:読者のことを考えられるようになるために

本書を読んだ上でこの記事なども書いているわけですが、正直まだまだ気をつけるところが沢山ありますし、普段の仕事での資料もうまくなったとは言い難い状態です。しかし、こうした基礎の部分というのは、本を読んですぐに違いが現れるものではなく、日々の積み重ねによって改善していく部分だと思っています。

本書を読み返しながら、読者のことを考えながら書くことが手に馴染んでいくように努力します。