日本協会とJが、若手の移籍自由化を検討していることが11日、分かった。登録期間以外でもJクラブ同士で、一定年齢以下なら自由に移籍できる制度への移行を目指す。J限定の新制度が確立すれば、期限付き移籍がより活発になるとみられる。今日12日に行われる日本協会、J事務局、Jクラブ代表者で構成される委員会で議題に挙げて話し合う。

 Jリーグは選手の登録期間(ウインドー)が、夏と冬の一定期間(今季は1月6日~3月30日、7月20日~8月17日)に定められており、現行ルールではそれ以外の時期は移籍できない。負傷者が出る事態に備え、J1クラブは控えの若手を他クラブにレンタル移籍させられないことが多く、若手の実戦出場機会は減る一方だ。Jクラブ関係者は「移籍ウインドーがあるから、他のクラブにレンタルさせるのも消極的になる」と話した。

 10年にサテライトリーグが廃止されて以来、若手の実戦の場が減った。チームでレギュラーになれない若手は、練習試合や紅白戦で実戦感覚を維持するしかない。実際に、五輪代表FW永井は「絶対的エース」と言われていたが昨季、名古屋で出番が少なく、現在同代表でもサブに転落している。

 新ルールでは、仮にJ1からJ2に若手が期限付き移籍しても、J1クラブに負傷者が出た場合など、クラブ間の交渉で期限を満たさなくても元のクラブに戻せるなど、柔軟な制度を目指す。実現すれば若手がJ2で実績を積む機会も増える。16年リオデジャネイロ五輪に向け、U-23(23歳以下)年代の強化につながる。

 戦力として計算した選手を元のクラブの都合で戻されると、新たにJ2クラブは選手を探さないといけないなど、問題点はいくつかある。今後、1年かけて日本協会、J事務局、J各クラブが協議を重ね、折衷案が見いだせれば、来季からJ独自のルールがスタートする。