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◆◆◆講演会のお知らせ◆◆◆

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 ◆日時: 平成23年2月19日(土)
 ◆時間: 14:00頃開始予定
 ◆場所: 未定(東京都内)
 ◆会費: ¥3,000  ※後援会員は¥1,000割引となります。
 ◆内容: 新著「デフレ時代の富国論(ビジネス社)」を題材に、中野剛志氏と三橋貴明が政治や経済、アメリカの戦略などを論議
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 久しぶりに、日本以外の国の話でございます。


英国:10-12月GDP、予想外のマイナス成長-寒波響く
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aR49ddT8YDQQ
 英経済は昨年10-12月(第4四半期)に市場予想に反して縮小し、1年半で最悪のマイナス成長となった。建設業の低迷に加え、12月に襲った寒波がサービス業と小売業に打撃を与えた。
 英政府統計局(ONS)が25日発表した10-12月期の国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は前期比0.5%減。ブルームバーグがまとめたエコノミスト33人の予想中央値は0.5%増だった。7-9月(第3四半期)は0.7%増加していた。ONSによると、悪天候の影響がなかった場合、10-12月期GDPは「ほぼ横ばい」となるところだった。
 GDP統計発表後にポンド相場は下落。統計結果はキャメロン政権が財政赤字削減に向けた歳出削減強化を実施する前に既に、英国の景気回復が勢いを失いつつあることを示した。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)は今月、政策金利を据え置いた。一方、インフレ率は8カ月ぶり高水準。MPCのアンドルー・センタンス委員は24日遅く、物価圧力が強まっていることから「行動するべき時が来た」との見解を示した。 (中略)
 10-12月期GDPの前期比0.5%減少は、09年4-6月(第2四半期)に0.8%落ち込んで以来の最悪。ONSは今回の統計結果について「改定される可能性が通常よりも高い」としている。前年同期比では1.7%増だった。
 オズボーン財務相は声明で、GDP統計の「数字はもちろん期待外れだった」が、「非常に寒さの厳しい1カ月のせいで、国際社会からの信頼確立につながった財政計画を変更することなどあり得ない。そのような行動は、英国を金融危機へと突き戻すだろう。悪天候で英国が軌道を外れることはない」と強調した。 』


 イギリスの四半期ごとのGDPを項目別にグラフ化してみました。


【イギリスのGDPの推移(四半期ごと) 単位:百万ポンド】


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出典:Office for National Statistics(http://www.statistics.gov.uk/default.asp


 まだ2010年第4四半期の細かいデータは掲載されていなかったので、第3四半期までです。


 イギリスのGDPを支出項目別に見ていくと、政府最終消費支出が2010年第3四半期から減り始めています。キャメロン連立政権が誕生したのが2010年5月ですから、本当に翌四半期から容赦なき緊縮財政がスタートしたことになります。


 記事の最後のオズボーン財務大臣の声明が、現在のイギリスのジレンマを物語っていると思います。

国際社会からの信頼確立につながった財政計画を変更することなどあり得ない。そのような行動は、英国を金融危機へと突き戻すだろう。』


 GDPが多少減ったところで、「国際社会からの信頼確立」とか「英国を金融危機へと突き戻す」などと大げさな言葉を財務大臣が使わなければならないというのは、日本国民にはピンと来ません。まあ、今の日本国民ならば、
「GDP成長とか国際社会からの信頼云々以前に、政府は滅茶苦茶ですから」
 と、皮肉な思いに浸ってしまう人の方が多いかも知れません。


 とはいえ、もしかしたらイギリスのように「国際社会からの信頼」を意識しないで、政策を考えられる日本(及びアメリカ)の方が特殊なのかも知れません。何のことかと言えば、政府の資金調達の話です。

 日本は現在、「国の借金!」などと「識者」の方々がわめき散らし、「破綻だ! 破綻だ!」などと「世界最低の超低金利」の環境下で大騒ぎしていますが、外国から見ると「バカじゃないの?」という感じなのかも知れないのです。なぜならば、基本的に国内で国債を消化し、海外投資家の意向など気にせずに政策を打てる日本を、海外諸国は羨ましがっている可能性があるためです。(以下、情報提供、中野剛志様)


ギリシア危機から脱グローバル化へ
http://www.diplo.jp/articles10/1005-2.html
 ギリシア国債の70%は、フランスやドイツの銀行をはじめとする外国の投資家に保有されている。そのため、この国の政策は金融機関の監督下に置かれている。同じ状況が、スペイン、イタリア、ポルトガルにまで広がる可能性がある。だが、政策詮議の主権を確保する手段は存在する。政府債務の資金調達先を国内に戻せばいいのだ。(中略)
 世界最大の政府債務を抱え、しかも償還の見込みが(対GDP比という簡便な尺度で見る限り)最低レベルに落ち込んでいる国(三橋注:日本)について、国際投資家がこれほど無関心なのは一体どういうことか。
 答えは単純この上ない。国際投資家は日本国債を購入していないからだ。日本国債の95%以上は国内貯蓄によって消化されている。日本は米国とまったく逆に貯蓄率が高く、政府の資金需要に対し、さらには企業の資金需要に対しても十分に応えることができる。政府債務への資金提供が市場に求められることはなく、市場なしでうまくやっている。したがって、市場がその理不尽な規範に日本の経済政策を従属させることはできない。その種の干渉を行うには、国債という手段が必要だからだ。保有なくして介入なし、だ。
 ギリシア危機の問題を理解したいと願う者にとって、日本のケースとの不愉快な比較は、国際的な金融規制緩和の論理そのものを考え直す好機となる(後略)』
 
 上記は、フランスのルモンド・ディプロマティーク日本語電子版からの引用なのですが、何といいますか非常に「目を開かされ」ます。長いですが、是非、ご一読ください。


 個人的に一番面白かった部分は、EU諸国が、
政府債務の資金調達は、資本市場において、国際投資家の監督下で行うべきであり、それ以外の方法は受け付けないという姿勢」 
 を貫いているという部分です。すなわち、政府の資金調達が「基本的に」グローバルな金融市場頼みというわけです。


 これでは、上記のイギリスのように財務相が「国際社会からの信頼を維持するために」などと発言しないわけには行かないでしょう。


 わたくし達日本国民が気がつかないうちに、いつの間にか世界では「政府の資金調達もグローバルに」というのがスタンダードになっていたわけです。

 グローバルで政府が資金調達すると、グローバルな金融市場における投資家の声がでかくなります。結果、アイルランドのように国民が「自国の銀行が外国の銀行から借りた借金」の返済を強いられ、緊縮財政の地獄に叩き込まれるわけです。


 そういう意味で、海外投資家の意向など全く気にせず(想像もしたことがないでしょう)、好き勝手に国内でガアガアとやっていける国というのは、本当に幸運だと思います。「識者」の方々が「グローバル! グローバル!」と叫んでいる割に、日本は結局のところ本格的にはグローバル化しませんでした。(一部はしちゃいましたが)


 ルモンドの記事にもありますように、今後はある程度の「脱・グローバリズム」が進んでいくことになると思います。「脱グローバリズム」というグローバル・スタンダードというわけでございますな。


 こんな時期に、相変わらず「グローバル化!」「TPP」などと主張し、推進することは、「グローバル・スタンダードに逆らっている」わけでございますよ、ルモンドなどなど「欧州知識人」が大好きな日本の「識者」の皆様。



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