JR西日本、広島地区に新型電車「227系」投入

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広島地区に導入される227系の外観イメージ。同地区への新型電車導入は約30年ぶりになる。
  • 広島地区に導入される227系の外観イメージ。同地区への新型電車導入は約30年ぶりになる。
  • 227系の客室内イメージ。つかまりやすい形状のつり手や手すりを採用するなどして車内での安全性向上を図る。
  • 227系ではJR西日本が開発した「新保安システム」を初めて搭載する。
  • 227系の投入により広島地区で運用されている115系などが227系に置き換えられる。写真は115系3000番台(2006年撮影)。

JR西日本は6月19日、新型電車「227系」を広島地区に導入すると発表した。同地区で運用されている115系近郊形電車などの置換用として3両編成64本と2両編成42本の計276両を投入し、山陽本線と呉線、可部線で運用する。広島地区への新型電車の導入はJR発足以来、初めて。

同社の発表によると、最高運転速度は110km/h。車体はステンレス製で、車内外とも「広島らしさを象徴」する赤をベースにしたデザインにする。客室は室内灯に発光ダイオード(LED)照明を採用して省エネルギー化を推進。つかまりやすい形状のつり手・手すりと大型の袖仕切りを採用し、手すりと荷物棚端部は曲線化して車内での安全性向上を図る。バリアフリー対策は多機能トイレと車いすスペース、ドア開閉ランプを設置。乗降口と優先座席の識別表記も行う。車内案内装置はLED式を採用する。

安全性向上策としては、同社が開発を進めてきた「新保安システム」を初めて搭載する。車両にデータベースを登録することで、従来の自動列車停止装置(ATS)機能のほか「さまざまな運転支援機能を実現できる」という。新保安システムは地上設備などの整備が完了次第、順次使用を開始する予定としている。

また、運転台に設置されている速度計・圧力計などの計器類を液晶画面化。戸挟み安全対策としては、従来の戸閉可変制御システムの採用に加え、ドアに傘などが挟まれて引き抜こうとした際の戸先ゴム内の圧力変動を検知し、音声警報と表示灯により運転士に知らせる機能を新たに採用する。このほか、同社の最近の新型車両で採用されている車両異常挙動検知装置や先頭車間転落防止ホロ、衝撃吸収構造も全て採用する。

広島地区のJR線で運用されている電車で最も新しい車両は、国鉄時代の1982年に導入された115系3000番台。227系は約30年ぶりの新型電車になる。

《草町義和》

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