アダルトビデオが決するデジタルメディアの将来性...ポルノ業界大物がiPhoneや3D映画の今後を激白!

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    アダルトビデオが決するデジタルメディアの将来性...ポルノ業界大物がiPhoneや3D映画の今後を激白!

    ソニーもアップルも、実はアダルト業界に救われていた!

    いやいや、やっぱり当然ながら世の中には表と裏が存在するわけですけど、IT技術の進歩に影ながらポルノが果たす役割の大きさには、改めて目をみはるものがありますね。過去の勝利者と敗れ去った者たちのパワーバランスの間には、アダルトビデオスタジオの恐るべき力があったのみならず、現在でも非常にパワフルな決定打が放たれ続けているようです...

    これから一世を風靡するテクノロジーやガジェットの陰にはポルノがあり、そこにポルノが反映するところには、必ずITの未来があるという歴史が繰り返されてきたのであれば、もはやアダルト業界の超有力者の声に耳を傾けてみる以外にはないでしょう。

    ということで、本場は米国の最大手アダルトエンターテインメントスタジオのDigital Playgroundへ、これから絶対に勝利していくIT技術の行方について語っていただきました。たかがポルノと侮るなかれ。あの数々の非難にさらされるジョブズだって、アダルトビデオには一目置かざるを得ないんですからね~

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    さて、実際のインタビュー収録の模様をお届けする前に、まずは過去のマルチメディア戦争の勝敗の決し方をおさらいしておきましょう。今となっては懐かしいバトルではありますけど、Blu-ray陣営とHD-DVD陣営の間で、次世代のDVD規格としてユニバーサルなポジションを確立するに至るまでには、両陣営の規格採用製品の購入ユーザーさえも巻き添えにしつつ、それはそれは激しい争いが繰り広げられていましたよね。

    でも、最終的に東芝が撤退を表明し、HD-DVD陣営による敗北宣言が出されるよりも、すでに3か月以上も前から、実はアダルトビデオ業界の間では、Blu-ray陣営の勝利以外は考えられない状況が明らかでした。だって、ほとんどのメジャーなAVスタジオが、HD-DVDディスクでポルノを供給することを停止する姿勢を公式に打ち出してしまってましたからね...

    では、一体なぜ各AVスタジオが足並みをそろえるかのごとく、Blu-ray陣営の全面支持表明に回ってしまったのでしょうか。その理由も明白でして、ソニーのプレイステーション3(PS3)に、Blu-rayディスクの再生機能が標準搭載されたからなんですよね。専用プレイヤーを買わなくっても、PS3さえあればBlu-rayが見られるようになり、この重要性をポルノ業界が一斉に注目した結果、あっさりとHD-DVD陣営は敗れ去っていったというわけなんですよね。

    さらに時代をさかのぼって、VHS対ベータの争いの裏にも、アダルトビデオ業界の強力な動向があったというのも、知る人ぞ知る有名な事実なんですって。ソニーは、PS3とBlu-rayの組み合わせに、今度こそはポルノのパワフルバックアップを取り付けられてよかったですね~

    さてさて、せっかくBlu-rayの話が出てますから、まずは全米トップのアダルトスタジオのDigital Playgroundを立ち上げたディレクターのアリ・ジョーンさんに、このメディアフォーマットの未来について語っていただくことにいたしましょう。

    世間では、依然としてDVDが主流であり、なかなかBlu-rayへの移行はスムーズに進んでいないだなんて評価がささやかれていますけど、我が社のアダルトビデオの売上げから見ますに、着実にBlu-rayが伸びてきていることは明らかですよ。同じタイトルのポルノで比較してみると、やはり現在でもBlu-rayバージョンの売上げがDVDバージョンの売上げを超えるということこそありませんけど、ヒット作になればなるほど、Blu-rayとDVDの販売枚数にほとんど差が出ないくらいには普及してきています。このまま逆転する日も、そんなに遠くはないでしょうね。

    なるほど。さすがはBlu-rayも、アダルトスタジオに一斉に見込まれただけはありますよね。でも、最近はオンラインでストリーミング配信なんてメソッドでも、ポルノの視聴が人気を集めてきてると思うんですけど、その辺の動向については、Digital Playgroundとしては、どんな風にとらえられているのでしょうか?

    これは非常に興味深い分析になりますけど、インターネットからダウンロードでポルノを購入するユーザー層と、物理的にBlu-rayのディスクを購入してポルノを楽しむユーザー層との間には、見事な対比があることが分かってきているんです。

    たとえば、我が社では過去5年に渡って、アダルトビデオのデジタルダウンロード販売を手がけてきましたし、ラインナップも大いに充実してきています。でも、どうやら購入ユーザー層は、とにかく急いで、すぐにでも視聴したいって気持ちが強い人々に限られているようなんです。何らかの理由で、家の中でアダルトビデオのBlu-rayディスクは置いておきたくないだとか、そもそもBlu-rayディスクで購入するのが現実的ではない環境で視聴しなければならないだとか、そういう事情の人たちですね。

    一方、Blu-rayのディスクという形でしか、アダルトビデオの購入を望まないユーザー層が、対照的に存在しています。その最大の理由は、ダウンロード購入には絶対にないメリットがあるからなんです。やはり、こうしたポルノは貸し借りができることが重要だと考えられており、そこを重視する人たちは、基本的には自分のPC上でしか楽しめない形での購入を嫌う傾向がありますね。

    これからもオンライン配信とディスク販売は、双方が同時に伸びていく共存共栄の関係にあるのではないでしょうか。

    おぉぉ、そうだったんですね。やっぱり大物の言うことには説得力がありますよねぇ。

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    ところで、業界をリードするアダルトビデオスタジオとして、Digital Playgroundが今後最も重視していきたいユーザー層には、iPhoneやiPadのユーザーの皆さまが挙げられておりますよ!

    iPhone向けにアダルトビデオの配信を固く決意してから2年が経過しました。App Storeでは堂々とポルノアプリやコンテンツを配信できませんし、iPhoneのSafariブラウザーでは、Flashムービーによる配信だって不可能です。だから、HTML5による有料ビデオ配信というルートに絞って、ここ1年は大いに力を入れてきましたよ。

    あんなiPhoneの小さな画面で、わざわざお金を払ってまでアダルトビデオを見ようだなんて人たちが、そんなに世の中にいるとも思えませんけどねって声が聞かれますけど、その考え方は完全に甘過ぎですね。

    最も大切なのは、実際にiPhoneで視聴してくれているユーザーの皆さんの評価はどうなっているのかってことですよ。そして、我が社に届いているデータを分析してみますに、実はiPhone向けのHTML5のアダルトビデオの購入者の7割がリピーターなんです。iPadのユーザーの皆さまのリピーター購入率なんて、さらに高い数字が出てきて驚いているところです。しかも結構な金額を注ぎ込んでくださっているんですよね。満足度も上々だって噂なんですよ。

    先ほどのiPhoneの小さな画面を侮った見方に話を戻しますけど、真相はその逆でして、あの小さな画面だからこそ、どんどんとポルノの売上げが伸びていってるんです。一昔前までは、家庭内でのポルノの視聴はテレビ画面に限られていましたが、その後はPCの画面に移っていきました。でも、パーソナルコンピューターと呼ばれたはずのPCが、もはやパーソナルなプライベートのポルノ視聴環境ではなく、家族で共有することを求められるデバイスになってしまいました。だから、これからはケータイこそがパーソナルな空間であり、その中でiPhoneに勝るものはありません。

    ふむふむ、もうiPhone 4の網膜にビンビンくる高画質が売り物のRetinaディスプレイなんて、大迫力のアダルトビデオに最適の再生マシンになっちゃったりして...

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    さてさて、ここで未来のテクノロジー対決へと再び目を向けてみましょう。すでにジョブズの率いるアップルが頑なにFlashを拒み、そこに賛同する強力なパートナーが現れるか...というポイントが少なからぬ注目を集めてますけど、Digital Playgroundは、アダルトビデオ業界の先陣を切って、アドビのFlashとの決別を宣言しちゃってますよ~ん。

    現時点では、Flashムービーでのアダルトビデオの提供は重要な位置を占めています。Internet Explorer 8(IE8)を始めとする大半のデスクトップのブラウザー環境が、HTML5に標準対応している状況とは程遠いからです。また、AndroidではFlashがサポートされるようになってきていることも承知しています。

    ただ、我が社といたしましては、IE9がメジャーリリースされて、HTML5への支持基盤が整ってくる段階になれば、完全にFlashには別れを告げて、HTML5一本で行く方針が正式に決定していますよ。

    Flashは数多くの問題を抱えています。一方、HTML5には未来があります。わざわざ不具合やデメリットの多いFlashでアダルトビデオの提供を続ける意義なんて全くありませんからね。

    あらまぁ、もうFlashはバッサリと切り捨てられちゃってますね。アドビ、危うしですぞよ! すでに考えましたように、アダルト業界に見捨てられた技術に未来はありませんからね...

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    さてさて、最後になりましたが、やっぱり最も気になる臨場感あふれる3Dアダルトビデオについても尋ねておくことにいたしましょう。

    こちらは一言で表現するならば、まだまだ時期尚早ですよ。確かに我が社では、すでに3Dポルノの専門研究開発施設を社内に設けて、実際の撮影だって開始しています。その出来栄えはなかなかなものですけど、あまりにも見る手段が限られてしまっているんですよね。

    数十万円の3Dテレビを買って、おまけに特殊なグラスをかけないと楽しめないって現状は好ましくありません。世の中の多くの人々は、つい最近になってHDテレビを購入したところでしょうし、とてもではありませんが、今後数年で爆発的に3Dテレビの購入が進むとは思えませんよ。

    まだまだ普及までの道のりは長いでしょうね。今後も3Dアダルトビデオのリリースは続けていきますけど、皆が10万円以下で3Dテレビを購入できる時代になって、特殊なメガネなんて必要ない視聴環境が整った時、一気に攻めていきたいですね。5年くらい先の話かな...

    いやいや、なんとも貴重なお話ばかりでした。あまり日頃は光が当たらないアダルトビデオ業界からの興味深い考察には、もう本当に目からウロコでございました。きっとしばらく後になってから振り返ると、また今回もポルノが導くITの行方は、すべてその通りになってるんだろうな~

    [Digital Playground via Conceivably Tech]

    Adam Frucci(原文/湯木進悟)