サムスングループで日本通として知られているサムスン社会奉仕団の李昌烈(イ・チャンリョル)社長は26日、「韓国経営者総協会」が主催するフォーラムで日本の産業競争力に関する講演を行った。韓国メディアは講演の内容を紹介し、「日本に追いつくにはまだ遠い」、「日本の産業競争力を甘く見るな」などと伝えた。

 李社長は「表面より中身が恐ろしい日本の産業競争力」と題した講演で、「部品素材産業は、資本と技術、努力が集約されなければならない」と主張。日本が毎年、GDPの3%以上を研究開発に投資していることに注目し、「持続的な研究開発への投資が産業競争力を確保するための原動力」と論じた。

 李社長はまた半導体、LCD産業材料など部品素材産業の60%から70%を日本の企業が支配していることに触れ、「主要部品の日本への依存度が高いサムスン、LGなど韓国企業が善戦すればするほど、日本の部品素材企業が成長する」と指摘、「不快な真実」と述べた。

 一方、日本の「失われた10年」についても李社長は「大げさ」と否定的な見解を示した。日本の部品素材への依存度が高い韓国と中国企業の成長で日本の部品素材企業の輸出が高い成長率を記録しているとし、「ヨーロッパやそのほかの先進国に比べると問題はない」との見方を示した。

 韓国メディアは李社長の講演内容を紹介した形で、「『失われた10年』は大げさ、日本に追いつくにはまだ遠い」、「日本の産業競争力が甘く見るな」などと題して同話題を報道。李社長の「短期成果だけに執着すると、部品素材産業では成功しない」との苦言も併せて伝えた。

 李社長は1976年にサムスングループに入社し、サムスン在職期間のおおよそ3分の1に当たる12年間を日本で勤務しており、サムスングループ内の代表的な日本通として知られている。2011年4月に著書『表面より中身が恐ろしい日本の産業競争力』が出版された。(編集担当:金志秀)



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