検索ツール、GPSマップ、スペルチェック機能、乗換案内など、あらゆるテクノロジーによって、私たちの生活は劇的に便利になりました。しかし、利便性と引き換えに、ヒトにとって大事なものを失いつつあるのかも...。

米「Institute for Ethics & Emerging Technologies(IEET)」は、テクノロジーに依存しがちな現代人に向けて、「あえて難しい方法で、物事をなすべし」と説いています。

Photo by Ramunas Geciauskas.

 IEETではこのテーマについて、具体的に次のように述べています。

自分はひどい方向音痴で、しょっちゅう迷子になっていました。GPSのおかげで、ずいぶん助けられましたが、GPSを使い始めてしばらく経った頃、自分の方向感覚がそれまでにも増して悪化していることに気づきました。そこでボストンに移ったとき、GPSを使うのをやめてみたのです。正直かなり苦痛でしたが、自分の頭と地図だけで目的地に移動する「訓練」を重ねることで、道を覚えられるようになり、GPSがなくとも、ロジックと記憶で「いま、ボストンのどこにいるのか?」を感覚的に知ることができるようになりました。

もちろん、テクノロジーは、生産性を大幅に高めてくれますが、一方で、従来の感覚や考える力を退化させるおそれも...。自分の認知スキルを強化するためにはも、ときには、あえてテクノロジーに頼らない生活をするのも一法かもしれません。

ちなみに、インターネット技術の発達に伴う、記憶方法の変化については、ライフハッカーアーカイブ記事「『インターネットによって、ヒトの記憶はどう変わったか?』に関する研究結果」もご参考まで。

Increase Your Intelligence: FIve ways to maximize your cognitive potential | IEET

Melanie Pinola(原文/訳:松岡由希子)