伝説の「京大テクノ部」が京大吉田寮で一夜限りの復活パーティを開催


Photo by Kanta Nomura

20年の時を超えて伝説が復活することになりました。詳細は以下から。

◆あの「京大テクノ部」が一夜限りの復活!
2018年11月23日(金)の18時から、90年代後半の京都のテクノシーンの一翼を担った伝説の「京大テクノ部」が一夜限りの復活パーティを開催する事が分かりました。

このPartyCLUB Yoshida feat.Electronic Children - 京大テクノ部復活?!は、VIVA!吉田寮千年祭の一環として京大吉田寮食堂で開催される事になります。

京大テクノ部は1997年から2000年までの約3年間、京大生のメンバーを中心に結成された団体です。「京大テクノ部ヒストリー」によると京大吉田寮食堂や京大西部講堂を中心にオーガナイズを行っており、YO*C、Q'HEY、MAMEZUKA、KIHIRA NAOKI、KAZUMA、といった錚々たるゲスト陣も招聘しています。

今回解散から18年の年月を経て復活パーティを開催するかについては以下の通りステートメントが発表されています。

1997年に京都大学の学生を中心に結成された京大テクノ部は、吉田寮食堂や西部講堂などで数々のパーティーを主催してきました。いま、そのひとつである吉田寮が、大学当局から強制退去通告を受けるなど存続の危機にさらされています。

このサイトにアクセスしてくれたあなたのように、吉田寮界隈での取り組みに興味を持ってくれる人が少しでも増えれば、この場を守ることにつながるはずです。

11月23日は、当時を知る人はもちろん、知らない人も、吉田寮食堂のダンスフロアで、みんなで乾杯しましょう!

「とにかくパーティを続けよう これからもずっとずっとその先も!」

[11_23 @京大吉田寮食堂] CLUB YOSHIDA feat. ELECTRONIC CHILDREN(京大テクノ部復活?!)より引用)

今回のラインナップは以下の通り。フジロックにも出演したDJ MAMEZUKA氏を筆頭とし、京大テクノ部創始者のIPPEI氏もスピンします。なお、入場料は無料ですが「できる範囲でカンパにご協力ください」とのこと。

DJs
MAMEZUKA / KIHIRA NAOKI / FULLTONO / DJ LOST / TAKAHIRO OISHI / SHIN / MAKOTO / TSUEN / DJ MURA / DJ ゴウダ / DJ たけし(CLUB YOSHIDA)/ DJ TWR(CLUB YOSHIDA)/ DJ SAKURA(CLUB YOSHIDA)/ DJ4110(CLUB YOSHIDA)IPPEI(京大テクノ部)/

LIVE PA
ドラヒップ

VJ
MILMIL CN-(京大テクノ部)

気になった方、ピンときた方はFacebookイベントCLUB Yoshida feat.Electronic Children - 京大テクノ部復活?!をフォローしてみてください。

◆京大吉田寮の存続の危機とは?
上記ステートメントでも明記されていたように、今回の復活Partyには京大吉田寮が大学当局から強制退去通告を受けるなど存続の危機にさらされているという現状を広く知らしめるという大きな目的があります。


京大吉田寮は1913年に建てられた、105年もの歴史を持つ日本最古の現役学生寮で、寮生によって運営・管理が行われてきました。寄宿料・水光熱費は合わせて年間で約3万円と破格で、入寮選考も寮生が自ら行っています。


吉田寮の食堂は現在イベントスペースとして活用されており、バンド・劇団の公演、各種講演会が開催されてきました。先日ロングインタビューをお送りした、京都を代表するバンド「Soft」も93年のデビュー時からここで何度もライヴを行ってきました。

その吉田寮に対し、京都大学は老朽化を理由に寮生に全面的な退去を求めています。

もちろん築100年を超える建造物であることから、耐震性を始め老朽化対策は必要なことであり、京都大学と寮自治会は10年以上に渡って継続的な話し合いを続けてきました。その中では補修を前提とした対話が行われ、両者による吉田寮の補修案なども提出されていました。

しかし吉田寮側によると、2015年に京都大学側の交渉担当者が変わった後、それまでの議論や確約書が反故にされ、団体交渉も拒否されました。吉田寮側からは老朽化対策としての補修案なども提出されましたが返答はなく、京大側からの補修プラン提示もないままに放置されてしまいます。

そして2017年12月、京都大学は老朽化対策のプランを何も示さないまま吉田寮自治会に対し、老朽化によって耐震性を著しく欠いた建物に京大生が居住しているという「極めて危険な現状」を理由として全吉田寮生の2018年9月末までの退去を通告しました。

しかし、この際に京都大学は1913年に建てられた古い「現棟」だけでなく、2015年に建設されて耐震性にも問題のない「新棟」からも寮生に退去を迫りました。写真左側の真新しい建物です。


これは非常に奇妙な話で、老朽化が理由の退去要請であれば、2015年に建てたばかりで耐震性も問題ない「新棟」から退去を要請することには合理性がありません。

2018年7月には、大学側の示した参加資格や人数などの制限を寮が受け入れてようやく交渉が開かれましたが、京都大学は新棟からの撤去要請を求めたのは「現棟と新棟の居住者が把握できない」からであると、老朽化とは別の理由を述べています。

ですがこの時点で寮自治会は居住区別を明確にした名簿を提出済のため、問題は解消されているとして「新棟」の使用継続を主張したところ、京都大学は「名簿が信用できない」と一方的に拒絶。

その後2018年8月末にも交渉が行われましたが、老朽化対策についての回答はなく、9月に大学側が交渉の打ち切りを発表しました。

そうした中で、吉田寮側はこの問題を広く世に知らしめるため、多様な情報発信を始めました。吉田寮の内部を見学できる吉田寮見学案内や、土曜夜に吉田寮食堂で開催される食堂酒場」「厨房LIVE!があり、9月上旬に左京区の「村屋」のプロデュースした3日間のイベント村おこしには全国から1000人超が集まり、多くのライヴが行われました。



京都大学の態度が変わることがないまま退去期限の9月30日が過ぎましたが、電話を切断されるなどの措置を取られつつも100名近い寮生が現在も吉田寮で生活を続けながら勉学に励んでおり、情報発信も継続されながら現在に至ります。

今回VIVA!吉田寮千年祭の中でCLUB Yoshida feat.Electronic Children - 京大テクノ部復活?!が開催されるにはこうした長く深いいきさつがあります。

京大吉田寮は学生寮であると同時に、伝説の「京大テクノ部」が生まれて活動した場所であり、京都の多くのミュージシャンやDJ、劇団といったアーティストたちがパフォーマンスを行ってきた唯一無二の空間でもあります。


そして築100年を超える建造物としての歴史的価値はもちろん、ここで育まれた自律自治の空気が京都大学という存在自体にも大きな影響を与えてきたことは間違いありません。

そうした歴史を粗雑に扱い、寮生を強権的に追い出して「終わり」とすることは果たして京都大学の未来にどんな影響を与えるのでしょうか?パーティを訪れる際にはそんなことも考えてみるとよいかもしれません。

アクセスは、JR京都駅から京都市バス206系統「近衛通」下車で徒歩1分、京阪出町柳駅から徒歩17分、京阪神宮丸太町駅から徒歩15分程度です。


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