Eurogamer:Wii Uの性能は実際どうなのか?無双シリーズの鈴木氏にインタビュー | みらいマニアックス !

Eurogamer:Wii Uの性能は実際どうなのか?無双シリーズの鈴木氏にインタビュー

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3つのPower PCコアで構成されたIBM製のCPUが、Wii Uの弱点の一つであることは知られている。少なくとも、PS3とXboxと比較した場合には。だがこれはどのようにWii Uのゲームのパフォーマンスに影響を与えるのだろうか?

その答えを見つけるため、EurogamerはTGS本日の午前、Wii U最大のローンチタイトルの一つ、無双Orochi 2 Hyperの開発者に話を聞いた。

TGSのフロアにあるこのタイトルのプレイアブルバージョンは、画面に表示される敵の数やフレームレートの点で、過去の真・三國無双シリーズのパフォーマンスのレベルにはなく、コーエーテクモのブースでプレイアブル出展されていた、PS3独占タイトルである真・三國無双 6 Empiresにはかなり見劣りがした。

真・三國無双シリーズの鈴木プロデューサーは、Eurogamerに質問された際にそのことが事実であると認め、Wii UのCPUについて説明した。

「PS3やXboxに比べた場合のWii Uの弱点の一つは、CPUパワーがやや小さいことです。だから真・三國無双と無双Orochiを含む無双シリーズのゲームでは、多くの敵がプレイヤーの目の前に一度にやって来るときに、パフォーマンスがCPUの影響を受けやすいのです。

「このことへの対処は課題です。」

クロックスピードも含め、CPUの正確な仕様は今のところ公開されていないが、Eurogamerが「Wii Uの性能を調査する」のために話を聞いた所を含む複数のデベロッパは、Wii UのCPUはPS3とXboxのどちらよりも遅いと断言している。

だがWii Uの強みの一つは、カスタムされたAMD 7シリーズのGPUを搭載していること、そしてゲームに使用できるRAMが1GB、PS3やXboxの二倍であることだと言われている。

鈴木氏によると、Orochiの開発チームは、PS3及びXboxで可能だったものよりも良いビジュアルを作りだす機会があったそうだ。

「新しいハードでの開発はそれ自体が挑戦でしたし、発売日を決めることもまた挑戦でした。ですがビジュアルについて言えば、Wii Uの性能であれば、Wii U版はPS3版やXbox版よりもずっと優れたグラフィックスが実現できることは分かっていました。私たちの課題はより高い品質のグラフィックを作ることだったのですが、それを満たすことができました。

鈴木氏は、ゲームのパフォーマンスはリリースまでに改良すると約束した。彼は急いだ方がいいだろう。無双Orochi 3は11月30日にWii Uと同日に発売される。

「ビジュアルは素晴らしく、さらに改善できるようになりつつあります。その一方でわたしたちは低いCPUパワーに対処し、この問題を回避するようにしなければならないのです。

「実を言えば、私たちはまだそれに取り組んでいるところです。ショーフロアのデモを見て、実際にプレイしていただけば、おそらくPS3のレベルに達していないと感じられることでしょう。ですが、わたしたちはそれに取り組んでいるのです!

Wii Uの性能についてのEurogamerの調査の一環として、Richard Leadbetter氏(Digital Foundry社長)は、任天堂のコンソールについて懸念を表明している。

「近いうちにFace-Offs(対決)を行うが、その結果は興味深いものになるだろう。GPUがゲームに集中できることから、フレームレートはスムーズで、ティアリングが少ないといった恩恵があると予想する。だがCPUパワーに大きく依存するマルチのタイトルでは著しい劣化が生じるかもしれない。

鈴木氏によると、デベロッパ各社がいまだに頭を抱えている主な問題はCPUに関するもので、各社は依然どうやって最大の性能を引き出すかに取り組んでいるのだそうだ。

「PS3は複数のCPUとSPUを持っているため、多くのキャラクターの様々なモーションをCPUに計算させることができ、全体としてスムーズに動作します。XboxのCPUは定式化されているため、処理能力を拡大させることができ、効率的に動作します。

Wii Uは新しいハードウェアであり、私たちはそのための開発にまだ慣れつつあるところです。ですから処理能力の大部分を引き出すには、まだ知らないことが多く残っています。Wii Uでは探っていく必要があることがまだ沢山あるのです。


NS:Eurogamer
http://www.eurogamer.net/articles/2012-09-21-a-chat-about-the-power-of-the-wii-u-with-the-developer-of-a-wii-u-launch-title


みらい的コメント:

Wii Uの設計思想の一端を覗くことができるインタビューで、大変興味深い。

CPUのメガドラvs色と音のスーファミというライバル関係が頭をよぎった。ちょっと前だと3DSの設計にも同様のテイストがあったように思う。この辺は任天堂の伝統なのだろう。
D/Fのメンバーが以前Eurogamerに、コンソールの設計はバランスの芸術だという旨のコメントを書いていたが、Wii Uもその意味で実に任天堂らしいハードになっているのだろうと考えている。

ただLeadbetter氏の「CPUパワーに大きく依存するマルチのタイトルでは著しい劣化が生じるかもしれない」という指摘は気になる点だ。いずれ本体が出ればD/Fは分析記事を発表してくれると思われるので、この点の実際がどうなのか楽しみだ。


最後に、ておには・タイプ等のミス及びコメント欄でも指摘いただいているゲームタイトルのミスについて、確認の上訂正した。ご指摘ありがとうございました。