iPhoneの普及によって、画面を2本指で広げたり、指でスクロールしたり、画像を回したりなんていうことにすっかり多くの人が慣れっこになってきました。
なんだかんだで、iPhoneも3G以降で考えても2年以上経っているわけで、人と機械の間のマンマシーン・インタフェイスの変化も徐々に進行してきた様に思います。
となると、PCでも同じように指でいじりたいと思う人が増えるのも自然な流れです。もちろん、Macbookに代表されるノートPCではとっくにトラックパッドが標準装備されています。実は2本指で1本指とは違う挙動をマシンにさせるというのは、iPhoneよりも、このノートPCのトラックパッドが先です。
つまりノートPCから始まったインターフェイスの革新が、iPhoneを通じて、iPad、そしてデスクトップPCまで全てのアップル製品に行き渡った製品として、今回紹介する「Magic Trackpad」は捉えるべきでしょう。
さて、既に1ヶ月ほど使って、私はすっかりPCでマウスを使わない人になってしまいました。その理由を順番にあげていきましょう。
1.デザインの良さによるデバイスとしてのおさまりの良さ
アップルには純正のワイヤレスキーボードという製品があります。このキーボードとマジックトラックパッドは、セットで使う様にデザインされています。横に並べれば一目瞭然。
ホントきれいです。見事な仕上げ。まるで最初からそういう製品だったかの様にデザインされています。
前面もつなぎ目のない様な仕上げは同様。キーボードよりも少しだけ前に出ているおかげで、クリックするときの手の位置がちょうどはまる感じです。
2.慣れたら戻れない1本指、2本指、3本指、そして4本指
マウスでも高機能のものになればなるほど、ボタンなどが増えていろいろなことができるようになっています。それでも普通の人にとって、左クリック・右クリック・ボタン1・ボタン2ぐらいが扱える精一杯です。
ところが、このマジックトラックパッドは、1つのパッドと1つのクリックボタンだけで、あとは指の本数で起きることが変わります。
・1本指:カーソルの移動
・2本指:画面のスクロール
・3本指:ブラウザーの進む・戻る
・4本指:Exposeとアプリケーションの切り換え
さらにアプリなどによっては、2本指でねじることで画像が回転します。つまり高機能マウスよりもボタンの数は少ないのにやれることはぐっと増えているのです。
ボタンの位置とその関係を覚えることと、指の本数とその関係を覚えること、これはやってみるのがいちばん早いのですが、指の本数を覚える方が、なぜかはるかに楽です。
3.使ってみないとわからなかったパッドの大きさの絶妙さ
マジックトラックパッドを最初に見たときは、正直「ちょっと大きいな」と思いました。これは買ってからしばらくもそう思っていたのですが、使って1週間ぐらいしてくると、その大きさがすごくちょうどいいことがわかってきました。
ノートPCのトラックパッドは大きさの制限もありますが、それ以上にキーボードと手のポジションとトラックパッドの位置がどうしても縦方向で固定されます。だから、あの大きさで十分なのですが、基本キーボードの横において使うことを想定しているマジックトラックパッドでは、手を横に動かす必要があります(一度試しに縦の位置にマジックトラックパッドを置いてみましたが、やっぱり使いにくかったです)。
その位置関係だと、あまり小さいとトラックパッドにちゃんと手が乗らないんですね。また一般的な人の手の大きさを考えても、やっぱりあのぐらいの大きさが手の幅よりも少し余裕がある感じで、これもやっぱりちょうどいい。
ということで、もし購入を迷っている人にはかなりおすすめ。
また、ノートPCのトラックパッドに慣れている人にも鉄板でおすすめ。それでも、マウスでいいじゃん! って思っている人は、一度店頭で触ってみてください。その十分な価値に気付くはずですよ。
(いしたにまさき)