犬やネコをクリスマス・プレゼントにする前に
2010年12月21日(火) 11:50:18
数日前に愛犬の死について書かれた「バスターが死んだんだぞ」というブログ記事をツイッターで紹介し、ものすごくたくさんのRTをいただいた。たくさんの人を泣かせた罪な記事w でもいい文章である。元記事はデイリーメイル紙のこれ。それを邦訳してくれたわけである。ありがとう。
同じブログの中にこんな記事もある。「A Dog is for Life, Not Just for Christmas」。
これはRSPCA(王立動物虐待防止協会)のキャンペーン。引用してみると、
愛くるしい子犬をプレゼントされたときの子供の顔の輝きはすばらしいものです。それは認めますが、コインの裏表のようです。子犬は実に大変です。噛む、汚す、眠りを妨げる、遊んでくれとまつわりつく。子供が一人増えたようなものでありましょう。
子犬はすぐに大きくなりますが、しつけは長い道のりです。いくら頭のいい犬でも、根気よく冷静に教えていかなければならない。もしあなたがかんしゃくをおこせば、子犬は混乱してまた最初からやり直しです。
雨の日も嵐の日も雪の日も散歩に連れていき、えさを与え、身体を綺麗にし、排泄の後始末をし、一緒に遊んであげなければなりません。病気になれば獣医に連れていかなければなりません。あなたには毎日そんな時間がありますか?
子犬の販売元はもちろんクリスマス商戦に乗り出します。あなたが迷っているときに「誰か他の人も欲しがっているのですよ」とあなたの気持ちをあせらせます。もちろん、他にだれもいないのです。あなたにこのチャンスを逃したらもったいないと思いこませたいだけなのです。
クリスマスは楽しいときなので、子犬がおもらしをしたりいたずらをしても笑い飛ばしてしまいます。
しかしそれから半年たったころ、子犬はすっかり身体が大きくなりますが、まだ子供なので時々粗相をしてしまいます。子供たちはとっくの昔にあきています。
RSPCAにこのときに多くの子犬が持ち込まれるのです。そして何も悪いことをしていない、ただ誰も欲しくないという理由だけで子犬や子猫が処分されてしますのです。
以前ボクのブログでも「犬を飼うってステキです---か?」を紹介した。
これは本当に名作だと思う。東京都衛生局生活環境部獣医衛生課というお堅そうな部署が作った冊子のPDFだが、都庁の中にも素晴らしい人がいるなぁと感動した。まだの方はぜひ読んでいただきたい。マンガなのであっと言う間に読めるけど、そのあと長く考えさせられる。
「どうして? 犬を愛するすべての人へ」(石黒謙吾著/木内達朗イラスト/ジム・ウィリス原著/アスペクト刊/1050円)
これまた素晴らしい本である。
これを読んだあと、愛犬を抱きしめずにはいられない。そして責任の大きさにも身震いする。彼はボクたち家族だけを見て生きている。ボクたちの一挙手一投足を見つめて生きている。絶対裏切るわけにはいかない。
クリスマス・プレゼントに犬やネコをお考えの方々。
犬やネコを飼うことは、ハッタスリー卿が言っているように「至上の喜び」だ。素晴らしい体験だ。ネコを飼ったことはないので犬にしか言及できないが、犬は "希望" を放射するだけでなく、「無償の愛とは何か」ということを日々、惜しみなく、ボクたちが忘れないように、何度も何度も教えてくれる。
でも。
人生で一番大切なことを教わる分、義務や面倒が生じる。あなたがどんなに疲れていても、あなたがどんなに他のことをしたくても、10年20年、毎日毎日、休みなく、義務や面倒が続いていく。
そのことを肝に銘じて、今一度、よーく考えてみてください。
ちなみに、Facebook上に我が愛犬、トイプードルの「トイ」の写真アルバムを作ってみた。バスターの話や石黒さんの本を読んだあとに作ったので、なんだか "そういう選択" になっているなぁと思う。お暇な方はどうぞ。
トイはバカ犬だ。バカだなぁとよく思うw
でも、愛してる。長く長く元気でいて欲しい。