墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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刀剣博物館 東京都渋谷区代々木4丁目

先日、旧安田庭園で両国公会堂の解体を目にし、新たに刀剣博物館が移転してくることを知ったので、現在の刀剣博物館の方を訪ねてみた。

 

小田急線参宮橋駅、または京王新線初台駅から、それぞれ徒歩7分の場所にある。

(渋谷川の源流のひとつに近く、起伏のある興味深いエリアだったがそれは別のエントリで) 

 

10月30日までは特別展「花鳥絢爛 刀装 石黒派の世界」展を開催中。

 

刀装とは”刀を装う”金工細工のことで、石黒派は石黒政常を祖とする江戸後期に興った刀装彫金家の一門。花鳥画を得意とし華麗で絢爛たる作風は一世を風靡し、現在でも根強い人気があるのだそう。

 

自分は鍔や鞘ぐらいしか知らない世界だったが、笄川の名前のもととなる「笄(こうがい)」や、目貫(めぬき)、縁頭(ふちがしら)など、小さな部位に非常に細かく花鳥などが刻まれていて、かなり見入ってしまった。

髷を整える髪掻き用具である笄が刀の付属品となってしまっているところからは刀が高級装飾品となった江戸後期の泰平な雰囲気も伝わってくる。

 

各部位の名称は下記の銀座長州屋さんのサイトが詳しい。

日本刀各部の名称・刀剣・刀装具用語解説集

 

妖しく光を放つ刀身自体も同時代(江戸期)の数振りが展示されている。

外国からの観光客らしき方々が何組がおられたが、どなたも「じっくり」とガラスケースに顔を近づけて見ていた。

 

出展リストは下記。

http://www.touken.or.jp/museum/pdf/mus280726_01_mokuroku.pdf

 

観覧料は一般600円。ぐるっとパスであれば”入場”できるのでお得。展示室内撮影不可。

ご案内 ― 公益財団法人 日本美術刀剣保存協会 ―

 

建物は大きいが展示室は3階の一部屋のみ。

 

建物の外にはいくつか記念碑があった。

赤羽刀記念碑。

 

終戦後に赤羽に集められた軍刀に関するものだった。

 

無名刀匠之碑。

 

刀の素材となる鉧(けら)

山陰の「真砂(まさ)」と呼ばれる砂鉄10トンと「たたら炭」12トンを3昼夜燃焼させると2.5トンのけらが生産されるそうで、展示のものは昭和57年に(財)日本美術刀剣保存協会が運営する「日刀保たたら」によって産出されたもの。
これが砕かれて全国の刀匠に供給され、日本刀製作技術の保存伝承に役立っているとのこと。

 

館内には旧安田庭園の隣に建設中の新館の模型も展示されていた。