暗記の効能

現状の教科書については「30年後に役に立たないと思える内容が多すぎる」とバッサリ。「鎌倉幕府ができた年を、2〜3年間違えてもいいではないか。年号のような詳細な情報は、検索すれば済む。それよりも、なぜ幕府ができて、なぜ倒幕が必要だったかを分析する能力の方が、はるかに重要」(孫氏)

http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-739.html

 さようかさようか。御説ごもっとも。でも、

511:64式7.62mm小銃(三重県):2010/07/28(水) 23:39:37.25 id:C5wSxVzH
アメリカ式
OK、鎌倉幕府爆誕。誰が得して誰が損してその後どのような利権が生じたんだい?
519:たこ焼き(アラバマ州):2010/07/28(水) 23:41:20.08 id:jG5tMOVB
>>511
こういうテストにすべきだよなマジで

こういうテストや「なぜ幕府ができて、なぜ倒幕が必要だったか」に回答できるようになるためには、当時の政治・制度・経済・外交・人間関係・地域社会・文化その他についての習熟、つまり、とてつもない量の知識の暗記が要求されると思うのですけど。そして、当然、そのなかには正確な時系列(年号)の知識も含まれるでしょうね。この質問に答えられる人が「詳細な情報」を検索に頼るとはとても思えません。
 情報を脳に蓄積するのが「暗記」というのなら、それは「電脳」には到底人間の脳は及ばない。でも、暗記というのは、蓄積された情報を関連付けるためのものでしょ?バラバラの物事を関連付けるためには、やはり暗記をするしかない・・・。
 私が最近暇になると目を通しているのは、『謡曲二百五十番集索引』と『宴曲索引』。

謡曲二百五十番集 (1978年)

謡曲二百五十番集 (1978年)

宴曲索引 (和泉索引叢書)

宴曲索引 (和泉索引叢書)

早歌全詞集 (中世の文学)

早歌全詞集 (中世の文学)

 しかし、能の専門家とかは逆にこういうのはあまり利用しないとのこと。理由は簡単で、彼らは詞章を丸暗記しているのです。自分の記憶に落ちがないかどうかを確認するためだけに検索するのだとか。
 専門家は暗記を通じて、謡曲のなかのさまざまな表現を関連付けて理解していきます。それがまさに暗記の効能で、索引頼りの私はその理解力という点では到底及びません。「鎌倉幕府爆誕。誰が得して誰が損してその後どのような利権が生じた」、これも同じことでは?つまり、これを「真」に理解するためには、上に述べた通り、膨大な量の知識を関連付ける力が必要になるはずです。何の裏付けもない、思いつき(しばしばそれは「思考力」などと誤解されますが)の回答では意味はないでしょう。
 そのような知識の詰めこみなくして、「鎌倉幕府が誕生したことで、〇〇が〇〇のように得をし、〇〇という流れを作った・・・」云々と教えるというのは、別の意味での詰めこみではないのですか。
 やはり、幼い(若い)うちは暗記をした方がいい。私はそう反省しています。
 ついでに言っておきますけど、アメリカの教育を受けた人でも、その筋の第一人者と呼ばれる人たちは総じて博識ですよ。