ホストファミリー求む 日本留学人気も、確保難しく
日本への留学を希望する外国人が増える中、自宅に招き入れるホストファミリーの確保が難航している。夫婦共働きや在宅介護といった事情で、ホストを務めるだけの余裕のない家庭が増えているとみられ、仲介団体は頭を悩ませている。
1954年から高校生の交換留学を支援する公益財団法人「AFS日本協会」(東京・港)。例年数十カ国から200人以上を年間プログラムで受け入れている。東日本大震災で一時的に減少したものの、昨年は45カ国以上から245人を受け入れており、ほぼ横ばいが続いている。
留学先としての日本人気はアジアを中心に年々上昇している。希望者の具体的人数は分かっていないが、断るケースが出るようになっているほか、来日直前までホストファミリーが決まらないこともあるという。
ホストファミリーは留学生の食費や光熱費を負担する必要があり、これまで経済的理由で敬遠されることがあった。最近はそれに加え、親の介護や共働きで面倒を見られないことを不安視する家庭が目立つという。
AFS日本協会が今年、プログラムで来年海外留学を予定している高校生約250人の家庭に対し、受け入れ可否についてアンケートしたところ、3分の2が「難しい」と回答。理由には「空いている部屋がない」「経済的に余裕がない」や「忙しい」「要介護の家族がいて難しい」といった内容が並んだ。
協会の担当者は「本当はもっと受け入れたいが、現状ではかなわない」と打ち明ける。一方、実際に受け入れた家庭からは、いい経験になったと好意的な感想が多数寄せられているという。
東京都杉並区の会社員、石川毅さん(48)は、今年3月から1年間の予定で、デンマーク人留学生(17)を受け入れ中だ。中学1年の長女が国際交流に興味を持っていたのがきっかけだが、実際に受け入れると生活習慣の違いなどからストレスを感じることもあった。
だが、ゲスト扱いはせずに家族の一員として接するよう心掛け、次第に言いたいことを遠慮なく言える仲に。石川さんは「違う文化で育ってきた留学生と生活し、お互いをさらけ出すという刺激的で得難い経験をしている」と満足そうに話す。〔共同〕