コラボレーション・エンジニアの考える日々

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ノーツDBの串刺し検索をお手軽に実現

複数のノーツDBにまたがって検索するには、ドメイン検索というノーツ標準機能がある。ただ、この機能は、サーバー上にあるノーツDBに対して検索する機能だ。ローカルレプリカは対象には出来ないし、他の標準機能も無い。


ローカルレプリカを串刺し検索する要件の一番は、メールのローカルアーカイブであろう。入社以来、メールアーカイブDBを何個も抱えているという人は結構いるのではないだろうか。そんな人達に朗報だ。OpenNTF上でそれを可能にするプラグインが公開されている。


まずは、OpenNTFサイトからプラグインのZIPファイルをダウンロードして解凍しておく。そして、マイウィジェット・サイドバーの右上のメニューから、「ウィジェットの構成元」→「更新サイトのフィーチャーおよびプラグイン」を選択する。そうすると、以下のようなダイアログ画面が出てくるので、画面の例のように、ZIPファイルの中にあるsite.xmlというファイルのパスを入れて、”ロード”ボタンをクリックする。



画面下部分に出てきたフィーチャーの左横にあるチェックボックスにチェックを入れ、次へボタンをクリック。あとは画面の指示に従っていけばプラグインのインストールは完了だ。


プラグインの導入後、プロパティ画面を開くと、以下のように、串刺し検索用のメニューが増えているのがわかる(1)。それを選択すると、専用のセットアップ画面が右側に現れ、検索対象とするローカルレプリカの選択ができるようになる。画面の例では、私の環境でメールアーカイブを指定している例だ(2)。



さて、ここまでできたらあとは検索するのみ。ノーツクライアントの画面上部にある検索フィールドから"Multiple DB Search"を選択し、検索キーワードを入れ、検索を実行する。すると以下のように検索結果がでてくる。



検索結果は、検索キーワードを多く含む順か日付順でソート可能だ。文書タイトルの横にDBアイコンが表示されているが、アーカイブもメールDBも同じなので区別がつかない。文書を開けば、フォーム上にはアーカイブだと分かるように記載されている。これは8.5.1からのアーカイブメールテンプレートの拡張だ。


どうだろうか。これで過去のメールアーカイブをまとめて検索できるようになった。




このプラグインから僕が思うことは、「Eclipseに載せ替えたメリットが出てきたな」ということ。


Eclipseはオープンな開発・実行環境だ。IBMの狙いは、ノーツクライアントをEclipse上に実装することで、いろんな機能と組み合わせられるようにして、よりユーザーの生産性を高めようというものだ。(関連記事参照)


それに加えて、ノーツクライアントの拡張を自由にできることで、製品のバージョンアップスケジュールに縛られることなく、機能拡張できるようになるということもあるのかと思う。その為のプラグインの流通サイトがOpenNTFというわけだ。8.5.2から提供されたXPages Extensibility APIもその目的から作られたものであり、XPagesで使えるUI部品をみんなが作って再利用できるようにしようというものである。


もちろん、サポートは、無い。ただ、今まで出来なかったことが出来るようになる、ゼロかそうでないかの違いは大きい。情報システム部でまずは試行し、良さそうであれば、ユーザーにプラグインを配布するというアプローチも考えられる。ヘルプデスクの負荷も上がる可能性があるが、プラグインの利用は、希望者だけということもできる。プラグインに不具合があれば、プラグインの開発者により、修正モジュールがすぐ作られるかもしれない。Linuxが証明するように、製品開発・保守のスピードは、オープンソースのほうが段違いで早い。


こういった製品アプローチが日本のお客様に受け入れられるかどうかは、過剰品質の問題が問われている日本の現状では、正直、まだ難しいと思う。ただ、情報システム部として、エンドユーザーの利便性を向上させ生産性を上げるには、機能性とサービスレベルのバランスを見て、フリープラグインの利用を検討していくことも有効なのではないかと思う。


ゼロかそうでないか、その差は大きいのだ。



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