古代の地名を簡単検索 奈文研がシステム公開 異表記も網羅

 奈良文化財研究所(奈良市)が、古代の地名を簡単に検索できる「古代地名検索システム」をインターネットで公開している。発掘調査で出土した木簡の解読に役立つほか、一般にも身近な地名について調べるツールとしての効果も期待される。

 検索システムには、平安時代に成立した辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」などをもとに、古代の行政区画である国、郡、郷の約4200件とそれぞれの読みを網羅。例えば「大和」で検索すると、「添上」「平群」などの郡、「山村」「春日」といった郷がずらりと表示され、異表記も見ることができる。

 木簡は欠損などがあるため読みにくく、地名の場合はこれまで各辞典類を参考にするしかなかったが、このシステムだと解読可能な文字を含む地名が一覧となって表示される。さらに、地名に興味がある人らのツールにもなりそうで、奈良文化財研究所の渡辺晃宏・史料研究室長は「今の地名には古代までさかのぼるものもあるので、利用してもらえるのでは」と話している。

 検索システムは、奈良文化財研究所のホームページから入ることができる。

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