映画史に名を残すほどの赤字を出した大作映画9作品

1年間に数多くの映画が封切られていますが、当然そのすべてが黒字というわけにはいきません。中には相当高額な予算を投入しながらも、それを回収できなかった残念な作品もあります。

中でも、ここで挙げる9作品は特に映画史に名を残すほどの赤字を記録した作品です。どこかで見る機会があれば「ああ、これがあの……」と噛みしめて見てみてください。

詳細は以下から。
Mars Needs Ticket Buyers: 9 of the Biggest Box Office Bombs in Hollywood History | Movieline Galleries | Movieline Galleries

◆スピード・レーサー（Speed Racer、2008）

予算：1億2000万ドル
興収：4395万ドル（全世界では9395万ドル)

このリストの中で最も高額な予算を投じられたのがこのスピード・レーサーです。「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟によって2008年に制作・公開された映画で、1960年代のテレビアニメ「マッハGoGoGo」を原作とし、CGを多用しつつも原作テイストを残したものとなりました。アメリカ国内の興行収入は4395万ドルと、制作予算の半分も回収できませんでした。

◆プルート・ナッシュ（The Adventures of Pluto Nash、2002）

予算：1億ドル
興収：440万ドル（全世界では710万ドル）

制作予算1億ドルという大台に乗った作品の中で特にハズレたのが本作。制作は2000年に行われましたが、公開は2年後の2002年。エディ・マーフィら大スターが出演していますがアメリカ国内興収は440万ドル、全世界でも710万ドル。ハリウッド・レポーター誌でも「ここ10年で最大の失敗作」と評しています。

◆カットスロート・アイランド（Cutthroat Island、1995）

予算：9800万ドル
興収：1000万ドル

レニー・ハーリン監督とジーナ・デイヴィス(当時の妻)が1億ドルの製作費で作った海賊映画。もしもMGMがこの予算を10年後、ジョニー・デップを主役にして使っていたら……とのコメントがつけられていますが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒットをみると確かにいろいろと残念です。

◆フォルテ（Town＆Country、2001）

予算：9000万ドル
興収：670万ドル

ラブコメ映画「フォルテ」にはウォーレン・ベイティ、ダイアン・キートンらアカデミー賞でもお馴染みの俳優が出演しています。その製作予算は9000万ドルにも達しましたが、興行収入は1割にも満たない670万ドルでした。

◆バトルフィールド・アース（Battlefield Earth、2000）

予算：7300万ドル
興収：2140万ドル

ひどかったSF映画としても知られている「バトルフィールド・アース」。予算の回収は確かにできていませんが、この並びの中ではかなり興行収入が高いように見えます。

◆イシュタール（Ishtar、1987）

予算：5500万ドル
興収：1430万ドル

ウォーレン・ベイティ、ダスティン・ホフマン、イザベル・アジャーニとこれも出演者に大物の名前が並ぶ映画ですが、これまでの作品と同様、収入は芳しくありません。

◆ジーリ（Gigli、2003）

予算：5400万ドル
興収：600万ドル

「5400万ドルのうち2000万ドルはベン・アフレックのウイッグになったのでは？」と妙なウワサも立ったという「ジーリ」。最低映画の賞であるゴールデンラズベリー賞には7部門ノミネートされ、6部門で受賞。「この25年のワーストコメディ作品賞」にも選ばれています。

◆天国の門（Heaven's Gate、1980）

予算：4400万ドル
興行収入：348万ドル

当初のフィルムの長さは5時間オーバーでまさに超大作映画と呼ぶに相応しいものでしたが、いろいろとカットされて実際の上映時には149分のフィルムとなりました。シーンのうち一瞬しか出ないようなセットにお金をかけたりした結果の大幅な予算超過が問題でしたが、当初の予定でも1100万ドルとなっていたので、いずれにせよ興行収入は予算以上にはならなかった模様。

◆デルゴ（Delgo、2008）

予算：4000万ドル
興収：69万4782ドル

全米2160スクリーンで公開された「デルゴ」。この翌年に公開された大ヒット映画「アバター」を彷彿とさせるような内容だったそうですが、その興行収入は驚愕の低さ。1スクリーンあたりの収益でみると「iPadを買える値段」だったそうです。