本エントリーの著者・石田麻琴氏(@m_ishida)は、ネットショッピング運営の現場で得た知識を生かし人材育成についての講座などを行うコンサルタントです。そのウェブマーケティングについての実践的な理論を紹介します。(編集部)
ヒットコンテンツ(サービス)やヒットアイテム(商品)を生み出すことが、ブランド認知へと繋がります。これはWebビジネスに限らず、リアルビジネスにおいても変わらない、原理原則のひとつです。■あなたはユニクロをなぜ知りましたか?
いまや日本で「ユニクロ」という企業を知らない方は少ないと思います。では、あなたがユニクロを知ったきっかけは何だったか覚えていますか? よく思い出してみてください。
多くの場合、フリースやヒートテックなどの商品だったのではないでしょうか。柳井社長が書いた本や柳井社長自身だったという方も中にはいるかもしれません(ちなみにユニクロのフリースが大ヒットしたのは1998年。ヒートテックの発売は2003年です)。
それでは、ジャニーズを知ったきっかけは何でしたか? 年代によって返答が多少異なりそうですが、光GENJIやSMAP、嵐などのグループを知ってから、という意見が多そうです。では、エイベックスは? 安室奈美恵さんでしょうか。浜崎あゆみさんでしょうか。それとも、倖田來未さんでしょうか。以前、僕が聞いた中には、エイベックスが開催しているa-nationというイベントから、という人もおられました。
もうおわかりですね。人はまずコンテンツを知ってから、ブランドを知るのです。最近の例でいえば、怪盗ロワイヤルを知ってから、モバゲーを知り、モバゲーを知ってから、DeNAを認知する、というような感じでしょうか。
これが一般的な「認知」に至る仕組みです。
■あなたのWebビジネスはどうですか?
あなたのWebビジネスは、サイトのコンセプトにこだわりすぎていませんか。
コンセプトを貫き通し、それだけで認知を高めていくのは簡単ではありません。運よくメディアに取り上げられるかもしれませんが、ビジネスを他人任せにするのは禁物です。
そうではなく、まずはサイトにひとつのヒットコンテンツを作り出す。そのためのアイデアを絞り出すところから始めてみるのがいいのではないでしょうか。
ひとつのヒットコンテンツが生まれれば、必ず他のコンテンツにも波及します。ヒットコンテンツを導線として流入したお客さまが、サイトを期待して回遊してくれるわけです(もちろんそれは、コンテンツのコンセプトが統一されていることが条件です)。
サイトの売上やアクセスは、波を打つように成長していきます。そしてその波のピーク時には、ヒットコンテンツが大きな影響を及ぼしているのです。
企業理念は大切です。サイトのブランドコンセプトも大事です。
しかし、お客さまが「まず最初に認知し、利用する」のは、コンテンツだということを忘れてはいけません。お客さまにとっては、目の前にあるコンテンツが全てなのです。
(石田麻琴)
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