毎日ストレスもなくやりたい仕事に意欲を持って取り組むことができるなら、こんなにも素晴らしいことはないでしょう。その素晴らしさは、自身が厳しい境遇に晒されてやっと気付くものです。

社会人経験が長くなってくるとそういった厳しい境遇を何度か経験するもので、私も例外ではありません。今回はそういった状況を乗り切るために私が実践していることを書いてみようと思います。

ここで最初に述べておきますが、現代社会でストレスが厳しい職場というのはその多くが人間関係に起因すると私は考えています。窓のない部屋に押し込められて3日3晩寝させてもらえなかったとか、生理的に受け付けないおぞましい状況に置かれているというのは、そうそう起きる状況ではありません。

現実として、上司や同僚、部下、取引先、顧客など対人的なコミュニケーションによってストレスを感じることがほとんどでしょう。

仕事が山ほどあってつらいというストレスも、その原因がどこからくるのかと言えば、仕事ができなかった場合に周囲から向けられる失望や残念感に恐怖しているだけです。一言で括れば、相手の期待に副えない自分の姿が耐えられないためストレスを感じているのです。

だから私は、相手の期待をちょっとだけ上回るような仕事を続けることを心がけています。

営業職の人にはよく分かると思いますが、当期のノルマを大幅に超えて成果を出した場合、翌期のノルマは当期をかなり越えたものが要求されてしまい、常に大幅な成長を求められるという状況が続きます。これは大変なストレスです。

全力疾走なんてそんなに長く続けられるものではありません。適度に休憩を挟まなければ、いつか突然死を起こしてしまうでしょう。ただし、適度に手を抜いて仕事をしたとしても、小さな成功を常に続けるというのはとても難しいものです。だから失敗をあまり深刻に捉えないような訓練も必要になります。

私が実践しているのは次の方法です。

・自分よりも厳しい境遇にいる人を探す

これは消極的なアプローチだと思う方もいると思いますが、私自身は積極的にストレスを低減する方法だと理解しています。自分の理想的な姿を思い浮かべてモチベーションを高めるというのは、ストレスの厳しい状況ではとても実践できませんよ。それができる人は相当の自信家です。

上を目指すより下がいることを確認する方が簡単にストレスを軽減することができます。「ああ、自分よりも大変な人がいる」と思えるだけで自分の境遇を相対的に高い位置に感じるのです。

皆さんはどんな方法でストレスを解消していますか?

著者紹介

吉澤準特 (ヨシザワジュントク)

外資系コンサルティング会社に勤務。守秘義務を破らない範囲でIT業界の裏話をつぶやきます。ファシリテーション、ビジネスフレームワーク、人材教育など執筆多数。日本能率協会、秀和システムそれぞれから書籍刊行。執筆依頼/インタビューお引き受けします。こっそりITIL Manager (v2)資格保有。

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この記事は吉澤準特氏のブログ「IT業界の裏話」の過去記事を抜粋し適宜加筆・修正を行って転載しています。