【考察】クリエイターにお金を払えないのが当たり前の自治体が存在する理由
さて、いつもtwitterではめったに自分の仕事の話はつぶやかないんですが、今日は久しぶりに自分の仕事にちょっと関係する話題が盛り上がっているようなので、僕も思うところを書いてみようかと思いますね。
2013-10-19 08:42:26先日、お亡くなりになられた「やなせたかし」さんの仕事について、漫画家の吉田戦車さん@yojizen が「「タダ働き」に甘えてきた多くの自治体とか組織は恥じろ」というつぶやきをしています。 http://t.co/vhPaQt5Nqp
2013-10-19 08:45:02確かに、クリエーターからすれば、自分の創作物をタダで搾取されるのは辛いことですし、気持ちはよくわかります。ただ、逆に自治体側からすると、昨今における公務員制度改革や自治体改革で、創作物に金を出す、つまり税金を使うことが、かなり制限されてきている事実もあります。
2013-10-19 08:48:20現在、自治体でお金を何かに対して支払うことは、20年前に比べて遥かに難しくなっています。税金を支払うに相応の理由がないと、まずお金は出ません。特に創作物への対価については、税金の無駄遣いでオンブズマンからの返金訴訟の対象になりやすい傾向があります。
2013-10-19 08:52:30また、オンブズマンによる返金訴訟の前に、国では会計検査院、自治体では監査委員会による予算執行状況の監査があり、監査内容は年々、厳しさを増しています。民主党政権時では、そもそも創作物に対して税金を使うこと自体が罪というベクトルが働いていた事も事実です。
2013-10-19 08:55:43もし、創作物への対価として税金を使うことができたとしても、現在の方法では、気に入った作者を一本釣りして、キャラを作ってくれた対価を支払いますという事は、事実上不可能です。まずデザイナーを公募し、対価について入札を行い、一番安く入札した人に捜索を依頼するという流れになるでしょう。
2013-10-19 08:59:29この公募→入札→最低落札額に依頼、という流れは、まさに官制ワーキングプアの作出そのものなのですが、この流れを止めることはほぼ無理でしょう。なぜなら、税金をかけずに結果をもたらした公務員は人事評価が高くなるという、今の公務員制度とリンクするからです。
2013-10-19 09:03:01補足すると、価格は見ても労働条件は実質みていない。下請けがあるかないかくらい。低入札は調べるけど実質ザル。このため労働単価が下がる。
つまり、自治体としては、気に入ったクリエーターを一本釣りして創作物を作ってもらう一番の方法は、ボランティアによる無償提供しかない訳です。自治体の理論になってしまいますが、組織が訴訟などにより痛むことなく、公務員の地位も保全され、かつ作者の一本釣りができる方法はこれしかないのです。
2013-10-19 09:07:41ちなみに、昔は自治体にも「運営費」と称する予備費的なものがあり、その範囲でお金を出すことが結構自由にできたそうです。しかし、近年では「運営費」自体は存在するものの、使途や見積もりなどの詳細を提出しないと使うことができません。
2013-10-19 09:11:00おそらく、今後も自治体が創作物を何らかのイベントで使いたいというニーズは増えてくると思います。しかし、創作物はその時点での価値が分からないという弱点から、対価を自治体が出してしまうと無駄遣いの典型としてオンブズマンなどにやられてしまいがちです。
2013-10-19 09:14:20特に住民や議会、マスコミには適正な対価を払うという意識がなく、さらに特にエンターテイメントは自分のカネでやれ、税金を使うなと意識が強い。
なので、クリエーターの価値はどこにあるのか、そして、創作物の価値はどこにあるのかが国民の間ではっきりと共有する日が来れば、この問題は解決できるのですが、おそらく無理っぽいなぁ・・・。
2013-10-19 09:17:06.@lkj777 さんの「【考察】クリエイターにお金を払えないのが当たり前の自治体が存在する理由」をお気に入りにしました。 競争入札にしたら払えるのかな?(小並感) http://t.co/7pga0xdFi9
2013-10-20 13:11:49@lkj777 分かってて書いてます。官公庁の発注案件は建築物の元請け意外は粗利も出ませんから。広告費と割り切って仕事するしか(経験則)。
2013-10-20 13:19:35