2011年1月3日月曜日

"微分法の応用・積分法・積分法の応用・行列と行列式 (数学読本)"の第21章(もう一つの数学の基盤 - 行列と行列式)の21.1(行列とその演算), 逆行列の問21, 22, 23を解いてみる。



問21

行列Aを

a b
c d

問題の仮定より、この行列は逆行列をもつので、

ad-bc\ne0

逆行列は

d -b
-c a

そしてこの逆行列の転置行列は

^{t}(A^{-1})=

d -c
-b a

Aの転置行列は

a c
b d

ad-bc\ne0

より、Aの転置行列も逆行列をもち、それは

(^{t}A)^{-1}=

d -c
-b a

となる。よって

(^{t}A)^{-1}=\ ^{t}(A^{-1})

である。

(証明終)


問22

(1)

行列A

A\in M


a b
b a

とおく。

a+b=1,\ a\ne b

より、

a^{2}-b^{2}=(a+b)(a-b)=a-b\ne0

よってAは逆行列をもち、その逆行列は

1/(a-b)×

a -b
-b a

となる。ここで、

1/(a-b) × (a+(-b))=1

また、

\frac{1}{a-b}(a-(-b))=\frac{1}{a-b}\ne0

よって、

\frac{a}{a-b}\ne\frac{-b}{a-b}

ゆえに、

A\in M\Rightarrow A^{-1}\in M

となる。

(証明終)

(2)

A^{k}\in M

A^{k}=

x y
y x

と仮定すると、

x+y=1,\ x\ne y

A^{k+1}=

ax+by bx+ay
ay+bx by+ax

ax+by+bx+ay=(a+b)(x+y)=1

(ax+by)-(bx+ay)

=(a-b)(x-y)

\ne0

よって

ax+by\ne bx+ay

ゆえに、

A^{k+1}\in M

以上から帰納法により

A\in M

ならば、任意の正の整数nに対して

A^{n}\in M

(証明終)


問23

まず、Aが逆行列が存在するためには、

\Delta=ad-bc\ne0

そして、その逆行列は

1/(ad-bc)×

d -b
-c a

となるので、

ad-bc=±1

(証明終)

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