携帯電波で席特定、カンニング防止 東工大が開発
入学試験などの会場で携帯電話を使うと、電波が出ている座席をたちどころに特定できるシステムを、東京工業大のチームが開発した。ネットやメールを使ったカンニングなど不正防止につながると期待される。
昨年2月の京都大入試で、受験者が問題をインターネットの質問サイトに投稿した不正を受けて開発した。阪口啓准教授(情報通信工学)は「高い精度でリアルタイムに位置を特定することができ、社会問題となっている入試の不正を防ぐことができる」と話している。
チームは、大学入試センター試験の会場となった教室にセンサー5個を設置して実験。隣の席と区別しづらい場合もあったが、阪口准教授は「特定できなくても、試験官が目当てを付けた席の近くを行き来するだけで抑止効果がある」としている。
会場によって異なる電波の伝わり方を事前に調べ、コンピューターで統計的な処理をすることで、平均40センチの誤差で位置を特定できた。同様なシステムは従来もあったが、誤差が約3メートルと大きかった。チームは会場ごとの電波の伝わり方を自動的に学習するプログラムの開発が今後の課題だとしている。〔共同〕