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はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器(※)からの微粒子の採集とカタログ化を進めています。

サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。

採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため取扱技術について特別なスキルと技術が必要な状況です。JAXAは、初期分析(より詳細な分析)のために必要な取扱技術と関連装置の準備を進めています。

(※)サンプル収納容器内部は、サンプルキャッチャーA室及びB室と呼ばれる2つの部屋に分かれています。

資料(クリックで拡大)

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はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について(宇宙航空研究開発機構 理事長談話)

2010年6月13日にオーストラリアのウーメラ実験場に着陸し、小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られたサンプル収納容器から採集した微粒子のうち、イトカワ由来の微粒子が現時点で1,500個程度確認されました。

幾多の困難に見舞われながらも、カプセルを無事地球に届けた「はやぶさ」がもたらした成果の総仕上げとして、始原天体である小惑星からの微粒子が極めてクリーンな状態で世界で初めて地球に持ち帰られたことは、人類にとって共通の価値ある財産を獲得した大変画期的なことであり、大きな喜びを感じております。

採集微粒子由来の確認にあたり、関係された研究者の方に厚く御礼を申し上げます。また、応援してくださった多くの国民のみなさま、政府関係者やマスコミの方々にも心から感謝いたします。

今後は、回収されたサンプル収納容器から微粒子の採集を引き続き行うとともに、小惑星イトカワ由来の微粒子に対してより詳細な分析を進め、太陽系の起源と進化の解明に貢献できることを期待しております。

2010年11月16日
宇宙航空研究開発機構
理事長 立川 敬二

2010年11月16日

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