石川県加賀市、自動運転バスで実証レベル4実現へ課題
石川県加賀市が公道で自動運転EV（電気自動車）バスの実証実験を始めた。特定条件下で完全自動運転する「レベル4」対応の車両を使い、新幹線駅や温泉地を回る。山代温泉など3つの温泉地を抱える同市にとって、自動運転で観光客の回遊性向上と運転手不足対策が両立できれば理想的だが、技術面を中心に様々な課題もある。 実験ルートは北陸新幹線の加賀温泉駅と山代温泉総湯を結び、その中間にある「イオン加賀の里店」で客を…
全国の3割弱の市町村がコメの産出額を増やしている。全国有数のコメ所である秋田県では、4分の3の市町村で2022年の産出額が14年を上回った。人口減や食の多様化などで日本の食卓でのコメの存在感が薄れるなか、新しいブランドや用途の開発、輸出強化といった農業者の地道な努力が実りつつある。 農林水産省によると、22年のコメの総産出額は1兆3946億円。市町村別の推計産出額の公表が始まった14年に比べて3…
宮崎県都農町が、総務省からふるさと納税で寄付を集められる自治体に再指定され、受け付けを再開している。以前は寄付額が100億円を超えたこともあるだけに、返礼品ルール違反で指定が取り消されてからは財政規模は4割減と大きく落ち込んだ。ふるさと納税で再出発となるが、同町は寄付額を追わずに産業育成に力を注ぐ考えだ。 都農町は宮崎市から北に車で1時間ほどの距離にあり、人口は約1万人。以前はふるさと納税の返礼…
墨の香や奈良の都の古梅園――。明治の文豪、夏目漱石が俳句に詠んだ古梅園は1577年から続く「奈良墨」の老舗だ。格子の窓や墨屋を象徴する黒い壁。風格ある町家ののれんをくぐり作業場に入ると、手やほおにすすを付けた墨匠が作業に打ち込んでいた。冬に最盛期を迎えた奈良墨の生産は4月下旬、大詰めを迎えている。 近鉄奈良駅から南に徒歩数分の場所に古梅園は立つ。現存する国内最古の墨屋だ。 職人がすすを採ったり墨…
鳥取砂丘にある「砂の美術館」（鳥取市）は19日、第15期の展示会を開幕した。パリ五輪開催にちなみ、フランスの歴史と文化をテーマにした砂像を制作した。2025年1月5日までの会期中、ノートルダム大聖堂やナポレオンの戴冠式の様子などを圧倒的なスケールと精細な造形美で表現したという。砂の芸術空間を担当者と歩いた。 屋内の展示場に足を踏み入れた瞬間、巨大な構造物が現れた。パリの観光名所のノートルダム大聖…
秋田県南部で起業を目指す動きが広がっている。地域のニーズを見極め、温めていた事業アイデアを実現したケースも少なくない。多くの相談者に伴走する経営相談窓口、湯沢市ビジネス支援センターの藤田敬太センター長は「地方こそ起業の好機がある」とみる。 ――起業相談に訪れる人が増えましたね。 「センター開設の2020年から22年まで新規相談は年20件余りだった。だが23年は34件と従来の1.5倍ほどに増えた。…
土壌の成分を保持する農業用吸水剤を手掛けるスタートアップのEFポリマー（沖縄県恩納村）は、ロシアの侵攻が続くウクライナの農家向けに同社の製品5トン分を無償提供した。現地では2023年に攻撃されたダムが決壊し、深刻な水不足に悩まされている。少ない水でも農作物を育てられるよう支援する。 提供先はウクライナ南部のヘルソン州で、このほど農家への吸水剤の配布を始めた。日本の販売価格で換算すると、およそ11…
