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J20年目で初父子鷹!!川崎F“風間一家”で初V目指す

[ 2012年6月30日 06:00 ]

清水商時代にもともにプレーした兄・宏希(奥)と弟・宏矢の風間兄弟

 20年目を迎えたサッカーのJリーグに初の父子鷹が誕生する。風間八宏氏(50)が監督を務める川崎Fに、同氏の長男・宏希(21=ドイツ4部コブレンツ)と次男・宏矢(19=同3部オスナブリュック)が入団することが29日、明らかになった。

 契約は7月1日から来季末までの1年半で、近日中に発表される。同一時期に父が率いるクラブに息子が選手として所属するのはJリーグでは初。元日本代表MFのDNAを受け継ぐ兄弟が、初優勝を目指す強豪クラブに、新しい風を吹き込む。

 父は監督、そして、息子は選手。川崎Fに風間一家の3人が集結することになった。同一時期に父が監督を務めるチームに息子が選手で所属するのは海外でも珍しく、93年に始まったJリーグでは初めて。もちろん話題づくりでも、“風間ジュニア”としての入団でもない。2人は実力で川崎F入りをつかんだ。

 ドイツでのシーズンを終えた長男の宏希は5月下旬から、次男・宏矢も今月上旬から川崎Fのチーム練習に参加。当初はクラブ側がシーズンオフの兄弟に、練習場所を提供するという形だった。しかし、2人は日本代表MF中村憲剛(31)らを擁するトップチームのミニゲームでも主力組に抜てきされるなど頭角を現し、クラブ幹部を「間違いなくいい選手」とうならせた。クラブ側は21歳、19歳の将来性も高く評価。所属クラブとの契約が切れて新天地でのプレーを希望していた2人の思惑とも一致し、入団に至った。

 宏希は主にボランチでプレー。広い視野でボールをさばき、前線への決定的なパスで好機も演出できる。この日も居残り練習で直接FKを2本連続でゴールに叩き込むなどセットプレーのキッカーとしても期待できる。宏矢はボランチからFWまでこなすユーティリティープレーヤーで、得点力はもちろんパスセンスにもたけている。

 チームに適応するのにも時間はかからないだろう。兄弟は父が中心となって地元・静岡の清水地区で開催している「清水スペシャルトレーニング」に中高生時代から参加。また、宏希は清水商卒業後、ポルトガル3部ロウレターノに入団するまで父が率いた筑波大で練習していた。「(2人は)自分のもとでプレーすることに慣れているし、体が自然に反応する」と風間監督。ある主力選手も「(2人は)普通にうまいし、風間さんのサッカーに合っている」と太鼓判を押す。選手登録期間は7月20日からのため、公式戦出場は早くても同28日のホーム大宮戦。海外では父子鷹が成功する例は少ないだけに、風間ファミリーの挑戦には注目が集まりそうだ。

 ◆風間 宏希(かざま・こうき)1991年(平3)6月19日、広島県安芸郡府中町生まれの21歳。5歳の時にドイツ・レムシャイドのSSファーグルンドでサッカーを始める。97年に帰国し清水一中―清水商。卒業した10年にポルトガル3部ロウレターノに入団。11年からドイツ4部コブレンツ。U―13からU―19まで各年代別代表 に選出。1メートル77、70キロ。利き足 は右。

 ◆風間 宏矢(かざま・こうや)1993年(平5)4月16日、広島県安芸郡府中町生まれの19歳。97年に清水市(現静岡市清水区)へ転居。3歳からサッカーを始め清水一中―清水商。3年時に全国選手権出場。12年に卒業し、ドイツ3部オスナブリュックに入団。U―17日本代表、U―18日本代表候補。1メートル78、67キロ。利き足は右。

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