パソコン国内出荷台数、22.9%増 4~9月JEITA調査
電子情報技術産業協会(JEITA)が26日発表した2010年4~9月期のパソコン国内出荷台数は前年同期比22.9%増の497万9千台となり、金融危機前の08年4~9月期(438万4千台)を上回った。企業によるIT(情報技術)投資が一部で回復してきたほか、個人向けも買い替え需要が旺盛だった。
内訳はデスクトップが29.7%増の159万7千台、ノートが19.9%増の338万2千台。法人向けは基本ソフト(OS)の切り替えが進んだこともあり3割以上増えた。個人向けは地上デジタルチューナー内蔵モデルを中心に大きく伸長。出荷金額は16.7%増の4502億円だった。
9月単月は出荷台数が23.2%増の102万3千台で、10カ月連続の2けた増となった。出荷金額は18.3%増の890億円。JEITAは「今後も法人・個人向けとも堅調に推移する」とみており、通期では4年ぶりに1千万台を上回る可能性も出てきた。
ただ、景気の先行き懸念もあり、これまで市場をけん引してきた法人向けの出荷は「7~9月期がピーク」(IDCジャパン)との見方がある。個人向けも米マイクロソフトの新OS「ウィンドウズ7(セブン)」、統合ソフト「オフィス2010」による需要喚起が一巡した後は大きな動きが見込めず、11年以降の市場動向は不透明だ。
一方、出荷金額を出荷台数で割った単価は下落傾向に歯止めがかかっていない。メーカー各社の収益環境は引き続き厳しいものとなりそうだ。