お笑いコンビ 松本ハウス
一病息災
[お笑いコンビ 松本ハウス]統合失調症(1)中学生で幻聴、自己臭恐怖症に
人気の若手お笑いコンビが15年前に突然、消えた。一人が統合失調症で芸人を廃業。入院と自宅療養、社会復帰を目指してのバイト生活などの日々が続いた。一方、年長の相方はコンビの仕事を失っても、遠くから見守りながら待ち続けた。10年後、ついに二人はコンビを復活させた。
ハウス加賀谷は東京育ちの一人っ子で、いつもニコニコしていた。親の勧めで中学受験を目指し、小学3年から塾通いをした。本当は友だちと遊びたかった。
2年後、異変が起きた。塾のノートを真っ黒にした。なぜかページがめくれなくなり、余白に文字を書いていくが、余白がなくなると、また文字の上に書いていたからだ。「僕が発した最初のSOSのサインでした」。親に初めて反抗し、塾も受験もやめた。
中学2年の夏、自分のことを同級生が「臭い」と言っている声が聞こえた。統合失調症の症状だった幻聴により、「自己臭恐怖症」になった。「当時は幻聴という認識はなく、すべて真実の声と受け止めてしまいました」。自分の臭いがみんなに迷惑をかけていると思い、性格は暗くなった。
睡眠障害にもなり、眠れない夜は家を出て、駅前の交番をじっと見ていた。「僕を追い詰めている社会から、おまわりさんが助けてくれると思っていました」
お笑いコンビ 松本(まつもと)ハウス、ハウス加賀谷(かがや)さん(41)・松本キックさん(46)
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