福島事故の放射性物質、チェルノブイリの6分の1
東京電力は24日、昨年3月の福島第1原子力発電所事故で同月末までに大気中に放出した放射性物質の推定量が、政府の推定値の約2倍にあたる90万テラ(テラは1兆)ベクレル(ヨウ素換算)になったと発表した。1986年のチェルノブイリ原発事故での520万テラベクレルの約6分の1にあたる。
事故時の放射性物質の放出量を東電が公表したのは今回が初めて。原発周辺のモニタリングポストで測定された放射線量や気象データ、土壌の汚染の状態をもとに、事故翌日の3月12~31日の放出量を計算した。
1号機の原子炉建屋が水素爆発する前の3月12日午前には炉心溶融で放射性物質漏れが始まっており、放出量が最も多かったのは15~16日と推定した。
経済産業省原子力安全・保安院が別の手法で推定した放出量は、昨年4月の公表時で37万テラベクレル。同6月に77万テラベクレルと見直し、今年2月に最新の推定値48万テラベクレルを公表した。日本原子力研究開発機構も今年3月に48万テラベクレルと推定した。
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