立命大元准教授を公開捜査 バングラ警察、過激派事件関与か
日本人7人が犠牲となったバングラデシュ飲食店襲撃事件後、バングラデシュ警察がイスラム過激派組織に関与したとして公開捜査を始めた10人のうち1人が、立命館大(京都市)のバングラデシュ出身の元准教授だったことが20日、関係者への取材で分かった。
元准教授は昨年、日本人の妻や子供と欧州に出国して行方不明になっており、大学は今年3月、職場放棄で解雇した。
今回の襲撃事件との関係は不明。バングラデシュ警察によると、2015年5月に過激派の事件に関与した疑いで首都ダッカの警察が捜査を始め、襲撃事件後、公開捜査に切り替えた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、元准教授を含む3人の容疑者がバングラデシュ国内の戦闘員と過激派組織「イスラム国」(IS)関係者を結ぶ「連絡要員」として活動していたとみられると報じた。
関係者によると、元准教授はデブナット・サジト・チャンドラ(イスラム名モハマド・サイフラ・オザキ)容疑者。日本の警察当局も日本滞在中に任意で事情を聴くなどしたが、過激派との関係は確認できなかった。
立命館大などによると、元准教授は昨年4月から国際関係学部の英語コースで経営学を教えていたが、今年1月から授業を無断で休んでいた。欧州へ出国後の足取りは不明。バングラデシュ当局から日本への捜査共助の要請などはなく、トルコに入国を試みたが拒否されたとの情報もある。
元准教授は02年、大分県別府市の立命館アジア太平洋大(APU)に入学。11年まで在籍し、大学院の博士課程を修了した。
ニューヨーク・タイムズによると、元准教授はバングラデシュ中部のヒンズー教徒の家庭に生まれ、奨学金を得て日本に留学した。父親の話では日本に移った後、イスラム教に改宗して改名。帰郷した際にひげをたくわえていたのを見て驚き、テロネットワークに関係していると伝えられて衝撃を受けたという。〔共同〕