ビットマップ時代のプログラミング言語

コンピュータのインタフェースはビットマップディスプレイとマウスの登場で大きく変わりました.それまではコンピュータは文字で命令を出していました.文字でプログラムを作るということでなく,コンピュータそのものを操作するのも文字だったということです.たとえばファイルのバックアップを取りたいとか,友達にメールを出すとか,そういうのも文字で指令してコンピュータを動かしていました.

その状態のままだったらコンピュータはこんなに普及しなかったでしょうね.ここにビットマップディスプレイとマウスが登場しました.発明されたのはゼロックスの研究所ですが,それを一般の人が使えるようにしたのはマックを作ったジョブスです.その後マイクロソフトもウインドウズを出しました.

マックもウインドウズも画面上に操作の皮をかぶせているだけで,中身は文字で動いています.何か困ったときに専門家の人がターミナルを開いて文字でチャカチャカやって直したりしますよね.でも,単に文字の命令を絵で置き換えたというより,机やごみ箱など新しい見せ方を提示してました.

本当ならばプログラミング言語でも同じような変革が起きるべきでした.文字のプログラミングに対して,グラフィカルな皮をかぶせて使いやすくします.

Scratchは皮ですけれど,かなり薄皮ですね.文字の言語とほとんど対応が付きます.

ビスケットは相当分厚い皮です.文字の言語でやっていることをまったく違う切り口で外に見せています.

「変革が起きるべき」と書いたのは,ビスケットのような厚い皮の違う見せ方をするプログラミング言語がもっとたくさん出てくるべきだったという意味です.あまりにも種類が少なすぎです.ビットマップディスプレイは発明されたけど,マルチウインドウはまだ発明されていないという時代を想像してみて下さい.

なぜ出てこなかったのかというと,コンピュータを普段使わない人が使うようになるのはハードウェアが売れるので企業のモチベーションになりますが.一般人がプログラミングできるようになっても,アプリやゲームは売れなくなるし,企業側にはそうしたいモチベーションは湧いてこないってことだったのでしょうか.

あとメガネだけじゃなく,どんな仕組みを発明しなきゃないんでしょうね.

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