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中国が経済援助をテコにカンボジアとラオスに急接近している。経済基盤の弱い両国を取り込み、東南アジア諸国連合(ASEAN)を分断する狙いだ。米ロが初参加する11月の東アジア首脳会議(サミット)をにらみ、南シナ海での領有権問題を有利に進める戦略とみられる。領有権を巡り中国と対立するフィリピンやベトナムは警戒を強めている。(略)

経済関係が強まるにつれ、カンボジアとラオスは外交でも中国に配慮し始めている。ASEANは従来、加盟国が一丸となって中国に対抗する構えだったが、カンボジアのフン・セン首相は南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島などの領有権問題を多国間協議の場に持ち出すことに消極的な考えを示唆している。

南シナ海問題が主要議題となった昨年のASEAN地域フォーラム(ARF)は、ASEANと米国が組んで中国に対抗する構図だった。7月のARFと11月の東アジアサミットでASEANが割れれば、中国に有利な展開となる可能性がある。

南沙諸島を巡り中国との対立が激化するフィリピンとベトナムは特に懸念を強めている。ベトナムの次期国家主席(大統領)に内定しているサン共産党書記局常務は6日、ラオスを訪問し、中国をけん制した。ASEAN議長国のインドネシアも中国の動きを注視しており、東アジアサミットで南シナ海問題を提起する方針だ。

— 「中国、カンボジア・ラオスに急接近 援助でASEAN分断 南シナ海領有権で優位狙う」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年6月11日.