日テレプラスで放送中の『刑事貴族』、前週から殉職降板した館ひろしに代わって、郷ひろみを主演に据えたエピソード回に入っている。




『刑事貴族』といえば、二年半以上にわたり都合3シリーズ作られて放送されたヒットドラマであり、名作と言っても過言では無かろう。ただ、主演俳優の色や制作年代によって、人それぞれ好みが分かれるようで、初期の館ひろしのときが好きだという人もいれば、「2」や「3」の水谷豊のときが好きで、それも水谷豊の色がより出ている「3」が一番好きだという人もいる。が、なぜか、郷ひろみのときが好きという方はあまりいない・・・。




意外に思われるかも知れないが、自分は郷ひろみのときが結構好き。本放送時もじつは郷ひろみに代わってから観だしたくらいだから。館ひろし主演で『刑事貴族』が始まるとき、「また刑事役!?、そんでもって、またダークスーツかよ」と正直飽き飽きして視聴をパスしていた。で、半年後に郷ひろみに主演が代わって観てみたら、というか、一緒に新レギュラー入りする高樹沙耶のファンだったので(笑)、そのことに釣られていそいそと観てみたら、『太陽にほえろ!』と全く変わらないつくりなんだけど、それが安定感あって毎週観るようになってしまった次第。




郷ひろみに関しては違和感は全然なかった。だいたいバブル期のドラマは、誰がどんな役やっても違和感なかった時代だ。




日テレプラスで今週放送の「殺人者は予告する」は、その郷の違和感のなさと魅力の一端が出てくる。




あらすじは、管轄の公園で殺人をするという予告電話が代官署の捜査課に掛かってくる。予告通り、公園で若い女性が射殺されてしまった。女性の身元はブティックの従業員で、郷ひろみと宍戸開がそのブティックに報告と聞き込みに訪れると、ブティックで対応した女性従業員が、アルマーニのスーツを着こなす郷ひろみを見て「刑事に見えない」と言い放つ(笑)。




まあ、『太陽にほえろ!』の昔から刑事らしい身なりをしたのはほとんど出ていなかったから、別の意味でその言葉に違和感はないが、劇中でも郷ひろみが刑事らしからぬ刑事と描かれていたことになる。でも、『太陽にほえろ!』と同じく“警視庁なんでも課”として、警察組織の仕組みや捜査手法を割り切って無視して管轄の捜査課の幾人かだけで動く刑事ドラマのなかにおいては、上下スーツにネクタイをちゃんとしている郷ひろみは少なくても刑事に見える。むしろ、「2」で入ってきた日焼けバリバリの団優太のノースリーブのGジャンで胸元フルオープン姿なんてありえないから。




そんな郷ひろみも半年後に降板し、水谷豊に主演が代わって、番組名にも「2」が付く。引き続き、高樹沙耶は出ていたが、途中降板してしまったらまた観なくなってしまった。ちなみに、彼女のメインエピソードでは、降板回ゆえに大活躍する「ラストシーン」よりも、アノ遠藤憲一脚本で、「太陽にほえろ!」の頃から気がつけば出ている片岡弘貴がゲスト主演という大好きな要素が詰まった「疑惑の白衣」のほうが好きな一本。




うーん、振り返ってみたら、郷ひろみが好き、というよりも高樹沙耶が出ていたから好きだったのか。