前回の書籍化についての記事では温かいコメントやツンデレなコメントをありがとうございます。
さて、お陰で気合も入りましたし、今回は年末年始に日本に来た中国オタクのツワモノから教えてもらった、最近の中国コスプレ事情についてちょっと書かせていただきます。
現在中国ではコスプレがそのまんま「cosplay」と言われたり、
「角色粉演」(この単語にはRPGという意味もあります)と言われたりしてかなり知られているのですが、日本のコスプレとはちょっと異なる部分も出てきています。
中国におけるコスプレは大まかに言えば2種類あります。
一つが日本でもおなじみの(コミケの広場でやっているような)コスプレ、
もう一つがコスプレして創作劇をやる「舞台劇としてのコスプレ」ですね。
そして中国における一般的な「コスプレ」のイメージについては、どちらかと言えば舞台劇の方が強いかと思います。
この辺については、中国のコスプレが初期の頃から「ごっこ遊び」的な要素が加わっていたのが影響しています。中国のイベントではコスプレ団体ごとに、ちょっとした劇をやることが多かったりします。
このごっこ遊びと言うか創作劇と言うかなものが発展していき、現在中国ではコスプレとは「劇をやるもの」というイメージが固まっているようです。
90年代後半から00年代前半の、オタク趣味が若者の間に広まり始めたばかりのころの中国には同人イベントは無く、オタク達が交流する場もほとんどありませんでした。
そんな中、コスプレが商業系のイベントに露出するようになって認知されるようになり、中国オタク達の間でもイベントへの志向が強まったり、交流活動の場が形成されていくという流れになりました。
コスプレは人の目を惹きやすく、イベントにも組み込みやすいということで、アニメや漫画などでオタク分野と重なる商業系のイベントと相性がいいという利点があります。また、絵を描いたり漫画を描いたりといったスキルが必要なオタク系の活動に比べて参加するのが楽です。
そういったことから、中国オタクの間で最初に盛り上がった「オタク的活動」はコスプレであり、中国のオタク系のイベントは、コスプレを中心にして発展してきたという言い方もできます。
そんな訳で、中国のオタク関係の趣味で最も盛んなのがコスプレとなっているのですが、このコスプレに最近中国政府機関の文化部からの支援が行われるようになったそうです。
現在中国では政府がオリジナルコンテンツを生み出そうと、アニメや漫画などのオタク関係の分野に補助金を出していたりするのですが、このコスプレ劇(?)の盛り上がりに目を付けたらしく「オリジナルコスプレ劇」にも補助金が出るようになっているのだとか。
その補助金についての中国政府の文書はコチラ(もちろん中国語ですが)。二の(七)がコスプレについてです。
「オリジナルコスプレ劇」が具体的にどんなものか説明するのは私にも難しいのですが、コスプレっぽい恰好でやる舞台劇を想像していただけば、たぶんそんなに間違っていないと思います。
ただ、上の方々はやはり「コスプレ」がどんなものかよく分かっていなかったようで、判断の基準については何となく「海外のアニメや漫画作品のコスプレではない」「自称オリジナル作品」「中国っぽい特色がある」というのならOKという感じになっているそうです。
この補助金の効果は大きく、現在中国の「舞台劇系」のコスプレは中華ファンタジーというか、三國無双っぽい系統のコスプレが多くなっているらしいです。
三國無双系の格好なら、「中華系歴史コンテンツを元にしたオリジナルのコスプレ」としてコンテストに参加したり、活動内容を報告して補助金の申請もできますし、オタク寄りなイベントでも三國無双やソッチ系の作品として参加ができるなど、使いまわしができますしね。
ちなみに、三國無双のあの格好で中国オリジナルと言い張っても大丈夫なのかと心配される方もいらっしゃるかと思いますが、あのデザインはわりと「中華っぽい」「三国志っぽい」と認められているようです。
特に蜀の武将は分かり易いようで、中国のお偉いさんもイケメン系で兜なしだと趙雲(ちなみに兜ありだと馬超)だといったように分かってもらえるのだとか。
それと、補助金が出るということから一般の舞台劇をやる人間もこの分野に入って来るようになっています。
舞台劇をやっている人はやはりそれだけで食べていくのは難しいので、「コスプレ」の看板を掲げての活動をしたりするのだとか。そしてこれにより、オタクとは関係ない「コスプレ」という看板を掲げただけの創作劇も出てきているそうです。
ただ、その結果逆にオタク方面に引っ張り込まれる人もいるようです。
日本で開催されているコスプレサミットの中国代表になった方が実は戯劇学院で先生をやっている人だったなんてこともあったそうで。
以上のような感じで、創作劇が入ったり、オタク以外の人間が入るなどして中国の「コスプレ」は独自の方向に進み続けている模様です。
今後どういったことになっていくのか、私としてもイロイロと気になりますね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
さて、お陰で気合も入りましたし、今回は年末年始に日本に来た中国オタクのツワモノから教えてもらった、最近の中国コスプレ事情についてちょっと書かせていただきます。
現在中国ではコスプレがそのまんま「cosplay」と言われたり、
「角色粉演」(この単語にはRPGという意味もあります)と言われたりしてかなり知られているのですが、日本のコスプレとはちょっと異なる部分も出てきています。
中国におけるコスプレは大まかに言えば2種類あります。
一つが日本でもおなじみの(コミケの広場でやっているような)コスプレ、
もう一つがコスプレして創作劇をやる「舞台劇としてのコスプレ」ですね。
そして中国における一般的な「コスプレ」のイメージについては、どちらかと言えば舞台劇の方が強いかと思います。
この辺については、中国のコスプレが初期の頃から「ごっこ遊び」的な要素が加わっていたのが影響しています。中国のイベントではコスプレ団体ごとに、ちょっとした劇をやることが多かったりします。
このごっこ遊びと言うか創作劇と言うかなものが発展していき、現在中国ではコスプレとは「劇をやるもの」というイメージが固まっているようです。
90年代後半から00年代前半の、オタク趣味が若者の間に広まり始めたばかりのころの中国には同人イベントは無く、オタク達が交流する場もほとんどありませんでした。
そんな中、コスプレが商業系のイベントに露出するようになって認知されるようになり、中国オタク達の間でもイベントへの志向が強まったり、交流活動の場が形成されていくという流れになりました。
コスプレは人の目を惹きやすく、イベントにも組み込みやすいということで、アニメや漫画などでオタク分野と重なる商業系のイベントと相性がいいという利点があります。また、絵を描いたり漫画を描いたりといったスキルが必要なオタク系の活動に比べて参加するのが楽です。
そういったことから、中国オタクの間で最初に盛り上がった「オタク的活動」はコスプレであり、中国のオタク系のイベントは、コスプレを中心にして発展してきたという言い方もできます。
そんな訳で、中国のオタク関係の趣味で最も盛んなのがコスプレとなっているのですが、このコスプレに最近中国政府機関の文化部からの支援が行われるようになったそうです。
現在中国では政府がオリジナルコンテンツを生み出そうと、アニメや漫画などのオタク関係の分野に補助金を出していたりするのですが、このコスプレ劇(?)の盛り上がりに目を付けたらしく「オリジナルコスプレ劇」にも補助金が出るようになっているのだとか。
その補助金についての中国政府の文書はコチラ(もちろん中国語ですが)。二の(七)がコスプレについてです。
「オリジナルコスプレ劇」が具体的にどんなものか説明するのは私にも難しいのですが、コスプレっぽい恰好でやる舞台劇を想像していただけば、たぶんそんなに間違っていないと思います。
ただ、上の方々はやはり「コスプレ」がどんなものかよく分かっていなかったようで、判断の基準については何となく「海外のアニメや漫画作品のコスプレではない」「自称オリジナル作品」「中国っぽい特色がある」というのならOKという感じになっているそうです。
この補助金の効果は大きく、現在中国の「舞台劇系」のコスプレは中華ファンタジーというか、三國無双っぽい系統のコスプレが多くなっているらしいです。
三國無双系の格好なら、「中華系歴史コンテンツを元にしたオリジナルのコスプレ」としてコンテストに参加したり、活動内容を報告して補助金の申請もできますし、オタク寄りなイベントでも三國無双やソッチ系の作品として参加ができるなど、使いまわしができますしね。
ちなみに、三國無双のあの格好で中国オリジナルと言い張っても大丈夫なのかと心配される方もいらっしゃるかと思いますが、あのデザインはわりと「中華っぽい」「三国志っぽい」と認められているようです。
特に蜀の武将は分かり易いようで、中国のお偉いさんもイケメン系で兜なしだと趙雲(ちなみに兜ありだと馬超)だといったように分かってもらえるのだとか。
それと、補助金が出るということから一般の舞台劇をやる人間もこの分野に入って来るようになっています。
舞台劇をやっている人はやはりそれだけで食べていくのは難しいので、「コスプレ」の看板を掲げての活動をしたりするのだとか。そしてこれにより、オタクとは関係ない「コスプレ」という看板を掲げただけの創作劇も出てきているそうです。
ただ、その結果逆にオタク方面に引っ張り込まれる人もいるようです。
日本で開催されているコスプレサミットの中国代表になった方が実は戯劇学院で先生をやっている人だったなんてこともあったそうで。
以上のような感じで、創作劇が入ったり、オタク以外の人間が入るなどして中国の「コスプレ」は独自の方向に進み続けている模様です。
今後どういったことになっていくのか、私としてもイロイロと気になりますね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
オリジナル作品を生み出すのに四苦八苦してるんでしょうね
可能性があるものに全部試すということなんでしょうか