昨日「よりよい保育を@すみだ」が主催する「子育てカフェ」に参加しました。

会場にはお父さん、お母さん、保育士さんなど20名以上が集まっていました。

 

参加した保護者のみなさんは口々に

「整備計画によって自分の子どもはどうなるのでしょうか?」

「区は認定こども園にかわりますとだけの説明。本当に大丈夫?」

など質問があがりました。

 

保育士の皆さんからは、現場で働く立場から「認定こども園」に移行する

なか職場の実務がどう変わっていくのか、現在でも人手が足りていない

状態に加え、たくさんの実務作業がある状況。

「認定こども園」は教育施設になることもあり、教育課程をつくる作業、

その報告などもあり、今後どうなるのか不安という声もありました。

 

「整備計画」がすすむことで、公立の認可園が民営化、民間委託化していく

ことになりますが、全国ではどんな状態になっているのか、

また、以前墨田区でいち早く民営化された園ではどうなったのか、

当時のことを知っているベテランの保育士さんの発言は重かったです。

 

行事内容が大きく変わる

 

公立認可園に長く勤務している先生から、自身が関わった民営化のケースでは、

これまでつくりあげてきた保育園での行事や方針について、社会福祉法人さん

に伝えるなど、丁寧に引き継ぎをすすめたそうですが、民営化後、行事に招待

され参加してみると、以前とはまるで園の雰囲気や行事の内容が変わってしま

ったことに驚いたそうです。

 

また、以前は区内で信頼のできる保育実績のある社会福祉法人にしてほしいと

区に要望すると「都内まで」と範囲が広がったそうですが、いまでは「都内で」

といっても「関東近県」もしくは「東日本」というようにどんどん広がってい

るそうです。現場の職員さんは、移管される社会福祉法人の視察にいくことも

あったそうですが、全国規模に広がってしまうと、視察自体いけなくなって

しまうと以前聞きました。

 

社会福祉法人が手をあげない

 

区は民間の活力導入と意気込んでいますが、実際にどうなのか?

「保育の質」を守るため、「経験年数の高い人は◎◎人、若い人は◎◎人」

など、年齢ごとの経験数を選定基準に加えるだけで手を挙げる人が少なくなる

そうです。

また、イベントには、区内の施設を運営する社会福祉法人の方に話をきいたと

発言がありました。いまでも社会福祉法人は運営にいっぱいいっぱいで、

もし墨田区がオファーをだしても「うちの社会福祉法人ではうけられない。

誰も手をあげないのではないか」もしくは「東京で実績をつくりたいと思って

いる関西方面になるのではないか」とおっしゃっていました。

この話を聞いて、品川区で起きた、社会福祉法人・夢工房の事件が頭をよぎり

ました。

 

年間予算内で、切り詰めて運営している

 

指定管理者として保育園を運営されている保育士さんからは、「指定管理者

は区が定めた年間予算以内でやりくりしなくてはならない。人件費は幾ら、

見積もりをだす。そこには今年産休をどれだけとるかーは含まれない。

産休をとると、人も足りなくなるなど様々おきるが、やりくりするしかない。

園としては大変だが、自治体としては年間予算を決めてすべて任せたほうが

いいのでしょう」

 

指定管理者として運営するみなさんの発言は重いものがありました。

墨田区が「整備計画」を実施するうえで理由にしたのは、区には現在の保育

にかけるだけの財政的基盤がないというものです。(一方で150億円も

かけて北斎館を建てているんですけどね)

お金がないから民間に任せるーそうすれば支出は大きく減らすことはできます。

でも現場で働く保育士の皆さんや運営する社会福祉法人の方からみれば、

もともと少ない予算のなかで、さらに切り詰めてやらないといけない。

子どもたちのこと、保育の質を守ろうと頑張っている一方で、墨田区の姿勢は

あまりにも冷たいものだと感じました。

 

子育て応援の政治を

 

2時間弱のイベントでしたが話の中身はとても充実していました。

印象に残った話では、「どうして公立園に延長保育をするところがすくない

のか」ということについてでした。

 

もともとは公私格差是正制度の話からだったのですが、話は延長保育の話に。

 

公立園では人員を置くことができない(その分人件費を出すことができない)

ということで、延長保育を実施できない園が多いのですが(延長保育をするか

どうか最終判断は区《自治体》のため)

 

私立園では、お父さんお母さんの声もあり「公立がやらないのならば私たちが

頑張ろう!」と実施をはじめたと話がありました。私立園の先生も

「公立がまずやるべきなのでは?」という議論にもなったそうですが、求めて

いる人がいるのであれば応えようとはじめたそうです。

 

当時は1人だけーということもあったそうですが、いまでは乳児と幼児を

2クラスにわけて預からないといけない状態になっているそうです。

 

この話をきいて感じたことの一つは、子どもたちの命や発育よりもお金なのか、

ということです。延長保育の最終判断は自治体。延長保育に必要な人員を配置

すれば、その分の人件費をだせばすべての公立園で延長保育は可能です。

しかしそれは予算がないからやらない。

必要としている人は私立園にいってくださいということになります。

また、公立園の延長保育で働く人も多くは臨時職員さんで、18時15分から

22時までなど、4〜5時間の勤務形態になります。くわえて11ヶ月間の勤務、

1ヶ月休職という条件になります。臨時職員(保育補助)、非正規職員は正規

と比べれば給与や処遇に大きな差が生まれます。

保育を受ける側も、保育を実施する側のなかにも「格差」がある。

この原因を生んでいるのは、子育てに税金をつかわないということです。

これを大きく転換する必要があります。

 

安心した子育環境をつくるには、

「人間らしい働き方」が必要です。

 

もう一つは、お父さん、お母さんの働き方の問題です。

昔に比べて延長保育を望む保護者が多い。

共働き世帯が増えているのもありますが、労働者の賃金が減り続けていること、

非正規労働者が急激に増えていること、長時間働き続けなければ子どもを養う

ことができない。社会保障の弱さも背景にあると思います。

 

例えばフランスは週35時間労働ですが、一般的にお父さんは6時、7時には

帰宅して子どもたちと一緒に食事をとるそうです。ドイツなどでは労働時間だけ

ではなく、残業時間についても、労使間で協議をして1週間に3時間など、

長時間過密労働にならないように厳格に定められています。日本の企業が海外

にいった場合も、海外のルールに基づいて営業しています。

一方、日本の場合は労使間で協議すればいくらでも残業をさせることができる

「三六協定」があります。

 

「人間らしい働き方」がなければ、安心して子育はできません。

これがいまの日本の政治には大きく抜けていると感じました。

 

僕はよく「パパは育メンだよね!」といわれますが、多くのお父さんも

子育に関わりたいと思っています。ママにだけ子育を任せてしまって

申し訳ないと心を痛めているパパがたくさんいることを知っています。

 

ちょっと古い資料ですが、「家庭教育に関する国際比較調査」

(国立女性教育会館)があります。これはいまから11年前に行われた

国際調査にもとづく研究をまとめたものです。

調査では、各国に比べて、日本の父親が日常的に子どもと接する時間が

少ないことがわかり、その背景には長時間労働があり、これを改善すべき

だと指摘しています。

 

こういった状況について、父親はどう考えているか、文書には次のよう

にあります。

 

「日本の父親はこのような「子どもと過ごす時間がとれない、母親まかせ」

 の状況をいいと思っているわけではない。 父親の約4割は「子どもと

接する時間が短い」と悩んでおり、この悩みは 10 年間に 28%から 41%

に増加したことが明らかになった。」

 

とあります。いま同じ項目で質問すれば、この数字はさらにあがっている

と思います。「パタハラ」という言葉さえ生まれる状況です。

部長職、育休とったら干された 転勤迫られ…退職

ワークライフバランスの実現が、少子化対策、待機児童対策、子どもたち

の健やかな成長にとって不可欠だと考えます。

 

いろいろなことを考えるきっかけになった「子育カフェ」次回も参加

したいと思います!

 

 

次回の「子育てカフェ」は

 2月5日(日) 10時から12時
場所:本所地域プラザ ビックシップ3階会議室
住所:本所1-13-4

 

ですウインクみなさん気軽にご参加ください🎵

「こんなに子育てについて語りあうことはなかった」

「普段は送り迎えでいっぱいいっぱいだから」と好評でしたよ🎵

 

今日も頑張ります!

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

いつも長いブログを読んでいただきありがとうございます。

ポチッと一押しお願いします爆笑

 

 にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ

 

読者登録してね