2018 年 60 巻 11 号 p. 779-787
「OpenStreetMap」は,オープンデータ地図の作製を目的とした世界的な活動である。作製された地図データは誰もが無償で自由に利用することができるだけでなく,利用者自身もまた地図の作製に参加することもできることから,「地図のWikipedia」とも呼ばれる。また,単に地図を画像として利用できるだけでなく,そのソースデータを入手しデータ処理が可能であることから,企業活動や学術的研究などその活用は多岐にわたる。本稿では,OpenStreetMapの作製に携わるコミュニティーの世界各地における活動と,福島県会津若松市における整備状況および行政による活用について紹介する。