財務省は22日、2012年度上半期分貿易統計(速報)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた上半期分の貿易収支は3兆2,190億円の赤字となり、半期ベースで過去最大の赤字幅を記録したことがわかった。

上半期分の輸出額は前年比2.0%減の32兆1,603億円で3期連続の減少。一方、輸入額は同2.6%増の35兆3,793億円で5期連続の増加となった。

2012年度上半期分貿易統計(速報)総額(出典:財務省Webサイト)

輸出品目を見ると、自動車が前年比23.5%増、自動車の部分品が同12.6%増となったのに対し、半導体等電子部品は同8.3%減、船舶は同13.2%減、鉱物性燃料は同12.7%減となった。

輸入品目については、液化天然ガスが前年比24.3%増、原粗油が同8.3%増、通信機が同35.2%増。反対に、非鉄金属は同27.9%減少した。

地域別貿易動向を見た場合、米国への輸出額は前年比16.6%増の5兆5,938億円で2期連続の増加。輸入額は同2.5%増の3兆1,104億円と3期連続で増加し、これらを差し引くと2兆4,834億円(同40.8%増)の黒字となった。

対EUは、輸出額が前年比16.1%減の3兆2,051億円で2期連続の減少。輸入額は同0.9%増の3兆2,971億円と5期連続で増加し、差し引き921億円の赤字となった。

対アジアは、輸出額が前年比4.7%減の17兆7,432億円で3期連続の減少。輸入額は同1.2%増の15兆5,328億円と5期連続で増加した。黒字額は同32.3%減の2兆2,105億円で4期連続の減少となった。

対中国は、輸出額が前年比8.2%減の5兆9,211億円で3期連続の減少。輸入額は同2.0%増の7兆4,521億円と5期連続で増加した。赤字額は同78.6%増の1兆5,309億円で赤字幅は4期連続の拡大。これは日中関係の悪化が影響し、対中国向け輸出が大幅に減少したためと考えられる。

同省はあわせて9月分貿易統計(速報、通関ベース)を発表。それによると、9月分の貿易収支は5,586億円の赤字となったことがわかった。赤字は3カ月連続。

輸出額は前年同月比10.3%減の5兆3,598億円で4カ月連続の減少。一方、輸入額は同4.1%増の5兆9,138億円で2カ月ぶりに増加した。

輸出品目については、自動車が前年同月比14.6%減、船舶が同40.4%減、半導体等電子部品が同7.8%減となった。

輸入品目を見ると、原粗油が前年同月比26.0%増、通信機が同90.3%増、液化天然ガスが同11.4%増となったのに対し、鉄鉱石は同31.9%減少した。

地域別貿易動向については、中国への輸出低迷が目立つ。輸出額は前年同月比14.1%減の9,538億円、輸入額は同3.8%増の1兆2,833億円で、赤字額は同161.9%増の3,295億円と大幅に増加した。