先月12日にクルーグマンがNYTにユーロに関する長文の論考を書いた。その終わりの方では、欧州が今後辿り得る道筋として4つの選択肢を挙げている。以下ではそれを簡単にまとめてみる*1。
- 耐え抜く
- アルゼンチン化
- 汎欧州主義の復活
- 前三者の暗い選択肢に比べれば希望がある選択肢。ロベール・シューマンが60年前に夢見た「欧州連邦」への第一歩ということになる。
- 12月初めにルクセンブルク首相のジャン・クロード・ユンケルとイタリア経済財務相のジュリオ・トレモンティは、欧州共同債券「Eボンド」構想を提唱し、論議を巻き起こした*3。ドイツ政府はこの構想に対し、欧州を強国が弱小国を助ける「所得移転の共同体」にすべきではない、として猛反対している。
- しかし、アイルランドとネバダの比較の考察から分かるように、米国はまさに所得移転の共同体であるが故に通貨共同体として機能している。ユーロが機能するためには、何らかの形で同様のことを実現する必要がある。