昨年3月11日に発生した日本の東日本大震災は、中国においても前代未聞の「9級地震」と伝えられ、テレビが見られる環境の人の多くにとってインパクトの大きいニュースとなっていた。

 「9級地震」というのはとかくインパクトがあるようで、日本人の友人がいる中国人は電話やネットを通じて連絡をし、中国の子供ですら会って口を開けば「9級だよ、9級!」と連呼する始末。

意外に関心の低い大津波情報

震災後、日本の南海地震予測が発表されると、大津波が上海などの沿岸部に届くのではという動揺がネットを駆け巡った

 東日本各地を飲み込む大津波の動画は中国の動画サイトでもアップされているが、大津波をネットで見たという人は筆者の周囲だと意外に多くなかった。

 一般庶民は、大地震と大津波とセットで「9級地震(マグニチュード9クラスの地震)」と認識、津波については津波なるものが大変だったらしい、というのがニュース番組内の一瞬の映像、ないしは新聞の一面の画像で伝わった程度である。

 もちろん情報に地域差はある。日々日本の話題がバスで地下鉄で地元向けテレビで紹介されていて親日な上海では、地震直後に日々報じられていたのはもちろんのこと、その後も日本の報道を紹介していた。

 情報を積極的に得ようとする一人っ子世代は、テレビ離れや新聞離れもしており、ネットで情報を収集しようとした(10~20代のネット利用率は約7割と高い)。

地震情報で特に注目している地域は上海周辺、次いで北京だが、日本に興味があるという意味だけではなく、我が身に津波が襲いかかるのではないかという心配も

 大事件が起きるとすぐに開設される特集ページは、東日本大震災も例外ではなく、多くの最新情報が逐次翻訳され記事化された。

 震災絡みのニュースも、特集ページのコンテンツもやがて更新が減った。先月の東日本大震災から1年経った3月11日、1年を写真で紹介する記事が掲載されたことで少し注目が集まった。

 福島第一原発事故の方も話題になってよさそうだが、こちらはニュースでもリアルの人々との会話でも認知されてはいても細かい情報までは知らない、ないしは興味がないように思える。

 特に事故直後は(中国と比べれば)小さい日本ではどこも危険程度の認識しかないように話していて感じた。実際、中国人旅行団体は東京にも足を運ぶまでに戻ったが、事故からしばらくは日本行ツアーは建前上存在しただけであった。