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チャンネルAJER 更新いたしました。今回のテーマは「日本の公共事業の現実」です。

『日本の公共事業の現実①』三橋貴明  AJER2012.7.10(3)
『日本の公共事業の現実②』三橋貴明  AJER2012.7.10(4)

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8月26日(日)15時-山陽小野田市シンポジウム「企業誘致フォーラム」 開催

8月30日(木)18時30分-大阪「三橋貴明が語る!政治・経済の真実『メディアの大罪』 」講演会開催

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 これまでに何度この台詞を書いたか忘れてしまいましたが、小学館「コレキヨの恋文 」のAmazon在庫がまたもや切れてしまいました。先日、大量に入荷したばかりなので安心していたのですが、これほど売れるとは・・・。ご迷惑をお掛けいたします。


 「経済界 2012年 7/31号 [雑誌] 」に連載「実践主義者の経済学」第六回「ユーロ・バブルの崩壊」が掲載されました。今回はスペインの経済危機をメインで取り上げたのですが、同国の長期金利がまたもや7%を上回ってしまいました(本稿執筆時点)。


 状況が深刻さを増しているためなのか、ドイツ議会がスペインの「銀行向け」金融支援を承認しました。とはいえ、ショイブレ財務大臣は、支援資金の返済責任は「スペインにある」と説明していますので、結局、「スペイン政府」「スペイン国民」の対外債務ということになりそうな気がいたします。無論、スペイン側は国民に対し「我が国の銀行への支援であり、政府向けではない」と説明するでしょうが。


 ちなみに、ショイブレ財相は、
「金融支援を申請しているのはスペイン政府で、銀行に資本注入するための資金を暫定的な救済基金から受け取るのも同国政府だ。スペイン政府が保証しなければならない
 と語っていますので、「スペイン政府(=国民)」の対外債務だぞ! と強調しているわけです。この辺の玉虫色が、後々問題になりそうな気がいたしますが。


 さて、 これ↓が事実だとすると、民主党(というか、成長否定主義な左翼たち)が掲げた「コンクリートから人へ」は完全終了となります。


九州北部豪雨「民主党の仕分けで氾濫」 谷垣自民総裁
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120717/stt12071714560002-n1.htm
 自民党の谷垣禎一総裁は17日の党役員会で、16日に九州北部豪雨被害の視察のため熊本、大分両県入りしたことに触れ、「大分県竹田市の災害現場ではダム建設済みの河川は氾濫していない。一方、民主党の事業仕分けによってダム建設が延期になっている場所が氾濫している」と指摘した。
 自民党は東日本大震災を踏まえ、災害に強い国土を目指す「国土強靱(きょうじん)化基本法」をまとめ、10年間に200兆円規模のインフラ整備への集中投資を目指している。谷垣氏の発言は、これを念頭に防災対策の必要性を強調したものだ。』


 本件に関し、大分県竹田市を地盤とする自民党の江藤征士郎衆院副議長が以下の通り語っています。


「竹田市では何度も水害があり、20数年前から防災・治水ダムの事業計画が始まった。稲葉川のダムは2010年に完成した。1990年の大雨の4割増の降水量があったが、被害はほとんどなかった。しかし、玉来川はあふれた。ダムは用地買収にかかっていたのに、政権交代後に検証が行われてストップした。現地では『玉来ダムができていれば、こんなことにはならなかった』との声が多い」


政治の要諦は治山・治水だ。『コンクリートも人も』が正しい。大自然と共存・共生するなら、必ず防災のコストがいる。大きな教訓になったのではないか。政治が不安定だと、防災だけでなく経済、社会、各自の家計簿も不安定になる。言いにくいが、民主党は党内に与党と野党があって劣化している。これは改めてもらいたい」


 民主党が党内の揉め事を改めたところで、まともな政権になるとは思いませんが、とにもかくにも、民主党とマスコミが推進、礼賛した、
「コンクリートから人へ」
「事業仕分け」
 は完全な間違いであったことが、明確になりました。国民の生命を危険にさらす「コンクリートから人へ」に価値はありません。国民の生命を守る事業を仕分けするなど、本末転倒もいいところです。


 ところが、民主党政権発足後に、日本国民はダム建設廃止や事業仕分けに熱狂しました。要するに、日本国民が長年、自分たちがいかなる国土に住んでいるかを失念し、政治の役割の一つに「国民の生命を守ること」があることを忘れてしまったことに問題の本質があるのだと思います。


 日本国は、「ダムはムダ!」「事業仕分け万歳!」とかやっていて生きていけるほど、甘い国土ではないのです。そして、評論家や一部の政治家(みんなの党など)が叫ぶ市場原理主義、経済合理性の追求よりも、「国民の生命を守る投資」は政策としての優先順位が高いのです。


 民主党の「コンクリートから人へ」派は、日本国民の生命がどうなろうと興味がないのでしょうが、厄介なのは彼らの「公共事業は悪」という思想が、新自由主義の「小さな政府」思想と結びついてしまっているところです


 結果、新自由主義かぶれの評論家や元官僚たちが、自民党や公明党の「耐震化投資」を、「ムダなバラマキ公共事業だ!」「既得権益を利するだけだ」などと批判するわけです。公共事業否定派は、民主党の「コンクリートから人へ」派(日本の経済成長を否定する人々)と、新自由主義かぶれ(規制緩和で成長できると主張し、政府支出が大嫌い)とで、主に二つの派閥が存在していますので、面倒なことこの上ないわけです。


緊急輸送道路の1400橋、震度7で崩落も
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120718-OYT1T01659.htm
 震災時に物資輸送などで使用される「緊急輸送道路」で、震度7の地震で倒壊、崩落の恐れがある橋が全国で約1400か所あることが国土交通省の調査でわかった。
 首都直下地震が予想される首都圏では約400か所に上る。昨年3月の東日本大震災でも緊急輸送道路上の橋が崩落しており、同省は橋を管理する自治体に早急な対策を求めている。
 同省は2005年以降、緊急輸送道路上の橋の耐震化を進めており、進展状況の調査で明らかになった。今年3月末現在、緊急輸送道路上の橋(全長15メートル以上)は全国で約5万5000か所。耐震基準を満たしていない橋のうち、約1万1600か所は阪神大震災クラスの揺れを受けても崩落しないよう補強が完了した。
 残る約1400か所は都道府県管理の橋で、補強も未実施のため震災で倒壊、崩落の恐れがある。このうち約3割は、首都直下地震の際に緊急車両が利用する1都7県に集中している。』


 緊急輸送道路用の橋もそうですが、それ以外の10万近くの大型の橋梁の状況はどうなのでしょうか。気になります。
 無論、緊急輸送道路の橋を優先しなければならないというのは当然ですが。


 それにしても、首都直下型地震発生時に緊急車両が通ると予想される大型の橋で、約四百基(1400基の三割)が補強未実施というわけです。首都圏に住むわたくしとしては、普通に怖いです。


 現実が上記の状況であるにも関わらず、公共事業否定派は「それでも、バラマキは~」「ムダの削減が~」と言い続けるわけですから、率直に言って頭がどうかしているとしか思えません。しかも、この連中が嫌なのは、実際に地震が発生し、彼らの言論活動のおかげで対策が間に合わなかった場合に、鬼の首を取ったかのごとく、
政府は一体、何をしていたんだ! なぜ、耐震化の投資をしなかった!
 と、やかましく政府を責めたてるところです。(賭けてもいいですが、そうなります)
 
 とはいえ、現実には日本国民の意識は相当に変わり、「耐震化」や「必要な公共事業」はやるべし、と考える人が増えてきているのではないかと思います。理由は明々白々で、現実の日本で自然災害が多発し、大勢の国民が亡くなられているためです。
 「コンクリートから人へ」だの「小さな政府」といったイデオロギー、スローガンは、所詮「巨大な現実」の前では意味をなさないという話でございます。



「コンクリートから人へ」は初めから間違いで、かつ完全に終わった、にご賛同下さる方は

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