法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「日本未来ネットワーク」から「論破プロジェクト」の臭いがする

あくまで見る目のない人間による憶測であることを、最初に断わっておく。


さて、支持政党がない時に「白票」を投じるように呼びかける「日本未来ネットワーク」サイトが公開された。
黙ってないで、NO!と言おう。| 日本未来ネットワーク

入れたい候補がいないとき、誰に入れてわからないときは棄権せず、"誰もいないよ!"と言いましょう!その思いを白票に込めて投票しましょう!

当選議員が白票から圧力を感じるかのようなフルカラー漫画も掲載されている。

なぜデモや陳情といった選択肢を無視するのか不思議でならない。選挙としては白票が反映されるわけがなく、事実上の当選議員への信任だ。全体としては組織票を持っている政党が有利になる。それを団体も意図していることがサイトの結論でうかがえる。

アメリカのように2大政党が競り合うより、安定した与党が変革を重ねるほうが国民性に合っていると思われる日本で、投票したい候補がいないという気持を白票で表現するという、日本独自の民主主義文化を創り上げていけたらと思っています。

サイトが公開された時系列や、サイトを宣伝する組織力については、下記ページでまとめられている。
選挙での「白票」を「社会を変える力がある」とミスリードする謎の集団「日本未来ネットワーク」のサイトが突如出現 | BUZZAP!(バザップ!)
しかし情報が少なすぎて、まだ全体としては判断を保留するしかない。


ただひとつ、漫画を見ていて思い出したことがある。
2013年11月ごろ、従軍慰安婦問題を否認する漫画をアングレーム国際漫画祭へ出展しようとする団体「論破プロジェクト」がサイトを公開した。
「慰安婦漫画で日本が倍返しだ!」「見た目は派手だが、脇はがら空きだぞ」 - 法華狼の日記
たちあげた藤井実彦代表は、WEB漫画を使った広告会社「アイコミックス」の代表であり*1、韓国政府の漫画に対抗すると表明していた。
実際に国際漫画祭へ出展までこぎつけるも、「従軍慰安婦は存在しなかった(La position du Japon/ Les « femmes de réconfort militaire » n’existaient pas.)」という文章をかかげて歴史修正主義とみなされ、当然のようにブースを撤去させられたという。
世界の漫画に光をあてる「アングレーム国際漫画フェスティバル」 / ニコラ・フィネ×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-
ちなみに藤井代表は幸福の科学信者という関係があり、サイトも公開当初は幸福実現党が後援していると明記していた。


そんな藤井代表に「テキサス親父」が強力し*2、国際漫画祭が終わってからは「テキサスナイト」という講演企画がおこなわれている。
その一環として、下記のような4コマ漫画が公開されていた。
テキサスナイト - <テキサス親父とゆかいな仲間達>第17話... | Facebook

「論破プロジェクト」の漫画は「日本未来ネットワーク」に比べて極めて質が低かったが、サイト公開と同時に原稿を募集したおかげか、そこそこの作画担当者が集まったらしい。
特に、この「ぷりてぃ」という作画担当者の絵柄とコンテが、「日本未来ネットワーク」の漫画を思い出させる。かなり正確なデッサンで、アオリとフカンを多用していること。少ない色数の濃淡で背景を表現し、フルカラーでも人物が見やすいこと。
はっきり同じという確信は持てないが、思い出すくらいには似ている。


さらに、少し前から幸福の科学が「ザ・ニュー・スタンダード」というWEBメディアをたちあげており、そこでも藤井代表がコラムを連載している。
ザ・ニュー・スタンダード

気にかかるのが、直線的なカタカナの描き文字だ。

むろん枠線に色づけしたものと、線を重ねたものという違いは大きい。しかし「サ」の字形など、やや横長で右の縦線が直線なところはそっくりだ。


くりかえすが、あくまで似ているというのは私個人の憶測にすぎない。あげてきた漫画の類似点も、フルカラー背景や描き文字を見やすくするため似ただけかもしれない。
そもそも藤井代表がそうであるように、WEB漫画広告をあつかう会社は複数ある。そうした会社に「日本未来ネットワーク」が依頼したと考えても不思議はない。
どちらかといえば、「日本未来ネットワーク」の背後に自民党公明党が必ずいるとはいえない、という話をしたかった。