ネットスプリングは2011年7月27日、RADIUS/LDAP機能を備えた認証サーバー・アプライアンスの新版「AXIOLE Ver.1.10」(アクシオレ)を発表した。2011年第4四半期に出荷する。新たに、メッシュ接続した複数のAXIOLE同士の間でユーザー・アカウント情報を相互にコピーできるようにした。価格は、99万円(税別、1000ユーザー時の初年度費用)から。

 AXIOLEは、1Uラックマウント型の認証サーバー・アプライアンスである。主として、クライアントPCやサーバー機が社内ネットワークを利用できるかどうかを認証するために使う。IEEE 802.1x認証で使われるRADIUSサーバー機能と、ユーザー情報データベースとしてLDAPサーバー機能を提供する。RADIUS利用時は、MACアドレス認証も行える。

 Webブラウザの管理GUIを介して、管理者によるLDAPデータの操作やエンドユーザーによるパスワード変更などができる。単体でRADIUS/LDAPサーバーとして動作するほか、既存のLDAPサーバーと連携して動作する。任意のLDAPサーバーのプロキシとして動作できるほか、Active Directoryのユーザー・アカウントの管理操作をAXIOLEに一元化できる。

 新版では、LDAPサーバーを分散管理している組織に向けて、AXIOLEから別のAXIOLE(または任意のLDAP)に対してユーザー・アカウントをコピーできるようにした。1台のAXIOLEが持つ全ユーザー・データを一括してコピーするのではなく、個々のユーザー・アカウントごとに、どのLDAPにコピーするのかを定義できる。複数のAXIOLEをメッシュ型で接続することによって、相互にデータを反映しあう運用が可能になる。

 さらに、新版ではオプションとして、SAMLベースで大学・組織間のSSO(シングル・サイン・オン)を実現する「学術認証フェデレーション」(GakuNin)の認証サーバー機能(IdP: Identity Provider)を追加した。IdPで用いるユーザー情報として、AXIOLEが搭載するLDAPサーバーを利用できるため、AXIOLEを1台導入するだけで、GakuNinのフェデレーションに参加できる。

 利用可能なユーザー・アカウント数は、1000~2万5000ユーザー。アカウント数は、ハードウエアのモデルと契約ライセンスによって変わる。1000ユーザー時の価格は、初年度99万円(税別)、2年目以降は年額24万6000円(税別)。オプションの価格は、LDAPスキーマ定義オプションが69万8000円(税別)、Google Appsアカウント同期オプションが年額60万円(税別)、IdPオプションが10万円(税別)。