おはぎとぼたもちの違いとは?いったい何なの?

もうすぐ、お彼岸ですよね。

そうです。おはぎの時期がやってきます。

毎年この時分になると、丹波屋かどっかで、きなこやあんこの、とってもおいしそうなおはぎを、買ってきて、食べるんですけど、ぼくは、実は、これが楽しみで楽しみで^^

みんなで、お茶しながら、大好きなおはぎを食べるってのは、おだやかでおちついていて、とってもおいしいんですよ。

で、お店で買おうとおもっているときに、よくおもうんですけど、おみせによって、「おはぎ」だったり、「ぼたもち」だったりと、商品名の表記がちがっていたりするじゃないですか

あれってどうちがうんだろう、おはぎとぼたもちって、なにがちがうんだろうって疑問におもったことってないでしょうか?

なので、誰もがよく知っていて、とってもよく似ていて、おいしい「おはぎ」と「ぼたもち」、なにがどう違うのかなどなど、伝えていきたいとおもいますので、一緒にみていきましょうね♪

おはぎとぼたもちの違いとは?

おはぎとぼたもちなんですけど、実は、まったく同じものなんですよ。

つくられている時期や、食べられている季節、あんこの粒のまぶし方などで、呼び方を使い分けているだけで、同じものなんです。

まずは、季節での呼び方の違いを説明していきます。

花での呼び方

おはぎとぼたもちの呼び名は、それぞれの季節、

咲く花を、なぞらえているんですよ。

春は「ぼたもち」

ぼたもちは、「牡丹餅」からきていて、文字どおり、牡丹の花が咲くごろに、たべるものと言われています。

春分の日とも近い、のお彼岸の季節ですよね。

小豆の粒をまぶしている状態が、牡丹の花ビラにとてもよく似ていて、その状態を見たてて表しているのだと、いわれています。

秋は「おはぎ」

また、おはぎは、「お萩」からきていて、萩の花の咲くごろに、たべるものですよね。

もちろん、ご存知のとおり、秋分の日も近い、のお彼岸の時期です。

小さくいっぱい咲いている、萩の花の様子に見立てて、あずきの粒であらわしたものが、おはぎだと言われています。

花で季節を感じる

両方共、まぶした小豆の状態を、その時期に咲く、花の様子に見たてて、呼び名にしたものなんです。

その季節に咲く花が、呼び名になっているなんて、オシャレで、風流で、何かロマンチンクな気がしてきます。

次は、あんこの粒のまぶし方での、呼び方の違いについて、確認しておきます。

あんこの粒での呼び方

あんこの粒のまぶしかたには、ご存知のとおり、

  • 粒あん
  • こしあん

があります。

それぞれをみていきましょう

粒あんで「おはぎ」

つぶあんをまぶしたもの、つけたものが、「おはぎ」だといわれることがあります。

秋は、実りの時期で、新鮮な小豆が収穫できる、季節です。

とれたての、鮮度のいい小豆を、そのまま、あんこにできるのです。

小豆の皮はやわらかく、皮ごとつぶして、つかえるので、とれたてのあずきを、そのまま、つぶあんに使用できるんです。

秋に収穫したての、新豆でつくったつぶあんを使用したのが、「おはぎ」だと言われています。

もちのまわりにまぶしている、つぶしあんが、その頃に咲いている、萩の葉っぱや花に、たとえられています。

こしあんで「ぼたもち」

また、こしあんをまぶしたものが、「ぼたもち」といわれています。

春にあんこをつくるのに、当時は、秋に収穫して、保存した小豆を、使用していたんです。冬を越した小豆は、表皮がかたくて、食感が悪いので、おいしい粒あんができにくい。

なので、小豆の皮を取り除いて、すりつぶして、こしあんにして、食べていたんです。

だから、こしあんでつくってまぶしたものが、「ぼたもち」ともいわれています。

そして、こしあんのやわらかさを、牡丹の花びらに目立てて、表現しているともいわれています。

あんこで季節を感じる

保存技術の向上や、品種改良などによって、当時と違って、今は、品質のいい小豆が、一年中、いつでも手に入ります。

昔は、小豆の収穫時期によって、かえていたあんも、いつでもいい小豆を、皮のまま使うことが、できるようになりました。

つぶあんもこしあんも、一年中たべることが、できるようになったんです。

でもその半面、いつでもあるのが当然になり、あんこの種類によって感じていた季節感も、今では、失われつつあるのかもしれません

また、つくられた時期がいつであろうと、あんこの種類がなんであろうと、最近は、好きなように呼ぶようになってきています。

なお、地域ごとで呼び名は「おはぎ」「ぼたもち」と、それぞれちがうんですけど、関東の呼び名でもある「おはぎ」で近年、商品として全国に販売、流通される様になると、全国的に「おはぎ」とよぶことも多くなったようです。

ちなみに…

春と秋は、呼び名があるのはわかったけど、

はないのかと思いません?実はあるんです。

夏は「夜船」

は、「夜船」っていいます。

つき知らず → 着き知らず → 夜船

おはぎは、半すりつぶし状態ですので、つくる際には、おもちとはちがって、あらいつき方でいいじゃないですか?しかも、それほど回数をつかなくていいので、音も、それほどたたないんですよ。

となり近所で、おはぎをつくっていたとしても、おもちほど、ぺったんぺったん、音がしないので、誰も気がつかない。

で、「つき知らず」といわれて、さらに、言葉あそびとして、「着き知らず」になったんです。

港に船が、真夜中に到着すると、真っ暗闇で、何も見えなくて、いったいいつ着いたのか、まるでわからない状態です。

なので、「着き知らず」から「夜船」となりました。

真っ暗な夏の夜に、青白い月の光だけを、頼りにして、やっと進んで、静かに港に到着した、船の様子をうかがわせます。

冬は「北窓」

は、「北窓」なんです。

つき知らず → 月知らず → 北窓

これも「つき知らず」までいっしょで、「月知らず」になったんです。

月って、東からのぼって西に沈むので、確かに、北の方角では見えないんです。しかも、冬の月は、夏よりも空の高いところにあるので、よけいに見えにくいです。

ですので、そりゃ、北側の窓では、見えないでしょう。

月も見えない寒い冬の夜、真っ白な雪が、辺り一面に、降り積もって広がっている。北側の窓から、その状況を眺めている様子を、想像させます。

冬の寒さと、北という言葉が、妙に合っている気がします。

言葉で季節を感じる

当て字っていうか、言葉あそびから、四季を感じる言葉を連想して、呼び名にしているのも、とってもおもしろいです。

季節によって、言い方を変えることで、四季折々の変化を感じて、楽しんでいたのかもしれません。


 
おはぎとぼたもちは、今では同じものの事をいっていて、「季節によってちがう呼び方」や「あんこの粒のまぶし方によって違う言い方」になっているだけなんだっていうことなんです。

でも、その呼び方の違いは、とっても季節感がでていて、いかにも日本的で、粋な感じがしますよね。

おはぎって、本当おいしいです。

そして食べると実感します。「秋分の日、春分の日、お彼岸が近づいてきたんだな、なったんだな」って…

日本は四季の中で多くの行事があるので、季節感を感じやすく、季節の変化も、体感覚でわかりやすいですよね。

四季の変化を感じる感性が、いつまでも日本の中に、残っていってほしいと思います。

日本の四季折々の風物詩に感謝しつつ、今年も、おはぎで季節感を楽しみたいです。

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