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米テスラは「構造的に赤字体質」-空売り投資家チャノス氏が批判

  • 今はもう黒字だったはずが、先延ばしになっている-チャノス氏
  • ビジョンは良くてもEV分野の競争激化で最大の障害はこれからか

米電気自動車(EV)メーカーのテスラは「構造的に赤字体質だ」と、空売り投資家として知られるジム・チャノス氏が述べた。資本構造の「レバレッジが高過ぎる」ためだという。

  ヘッジファンド運用会社キニコス・アソシエーツの創業者であるチャノス氏は28日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、テスラは「3年前の段階で、現在は黒字になっている計画だった。ところが今では、2020年までには利益を上げるという。19年までには、25年についての話を聞かされるのではないか」と話した。

テスラについて語るチャノス氏

(出所:Bloomberg)

  チャノス氏はイーロン・マスク氏率いるテスラについて、自律走行技術が遅れているのに投資家のご機嫌取りで「モデル3」の市場投入を急いだと批判。同社が昨年買収したソーラーシティーは株主資本を年約10億ドル(約1126億円)食い荒らすマイナス要因だとも指摘した。 

  不正会計事件を起こした米エネルギー企業エンロンの経営破綻に早くから賭けたことで知られるチャノス氏だが、マスク氏の事業ビジョンについては他社に先んじているとし、「モデルS」を「セクシー」だと評価した。その上で同氏は、資金が潤沢な自動車メーカーがEV分野に参入し、テスラには本当の競争というこれまでで最大の壁が立ちはだかろうとしているとも語った。

  テスラ株は年初来で59%上昇し、時価総額はフォード・モーターを上回っている。チャノス氏はテスラ株は「恐らくどの銘柄にもまして、現在の強気市場の期待と夢の象徴なのだろう」と述べた。

原題:Tesla Is ‘Structurally Unprofitable,’ Short-Seller Chanos Says(抜粋)

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