JR東海、新幹線「N700A」を公開 6年ぶり新型
JR東海は21日、来年2月にデビューする東海道新幹線の新型車両「N700A」を同社浜松工場(浜松市)で報道関係者に初公開した。東海道新幹線の新型車両の投入は現在の主力「N700系」以来約6年ぶり。N700系をベースにブレーキや走行装置を改良し安全性を向上した。
公開された第1号の編成となる16両は午前10時半に工場内の線路にゆっくりと登場。外観はN700系とほぼ同じで車体横のロゴマークに「進化」を表す「Advanced」のAを青字で大きくあしらったのが特徴だ。
車内はシートの柄の色合いを薄く変更。普通車が青、グリーン車が茶を基調とするのは同じだが、より明るい印象になった。トイレや洗面室は発光ダイオード(LED)照明を採用し、車内照明の消費電力を2割削減。遠心力をかかりにくくしたり、騒音を抑えたりと乗り心地も改善したが「はっきりとは感じられないレベル」(同社)。
新型ブレーキは非常ブレーキで停車するまでの距離を現在の1~2割短縮。地震発生時などに架線の停電を検知して強いブレーキをかけるシステムも取り入れ、より早く列車を止められる。
区間ごとの最大制限速度に合わせて速度を自動制御する「定速走行装置」では遅れを早期に取り戻すことが可能に。車両下の台車に部品の振動を検知するシステムを付け、早期に故障を見つけられるようにした。
開発責任者の坂上啓・車両課長(47)は「開業から約半世紀たつ新幹線で一番大事にしてきた安全や信頼を進化させた。見た目はあまり変わらないが中身は現時点で最高の車両」と話した。