ロンドン五輪代表の関塚隆監督(52)が、J2千葉から監督就任の打診を受けたことが19日、分かった。まだ正式なオファーには発展していないが、現場復帰意思やタイミングなどを打診されたもよう。現在、同監督には他のチームからのオファーがなく、場合によっては、前向きな返事をする可能性もある。千葉は現在、J1昇格のプレーオフ決勝(23日、対大分、国立)に進出しており、4年ぶりのJ1復帰を目指す。

 ロンドン五輪日本代表監督の関塚氏が、半年ぶりに現場復帰する可能性が出てきた。今夏の五輪終了後、「半年は休みながら次のことを考えます。いずれは現場に戻りたい」と話した。現在、同監督のもとには、Jクラブからの正式オファーは届いておらず、このほど千葉が来季からの監督就任に向け、打診している状況だ。

 関塚監督はロンドンで、3位決定戦で韓国に0-2で敗れたものの、メキシコ五輪(68年)で銅メダルを獲得して以来の準決勝に導いた。データの分析能力にたけており、スタッフを集めての戦術会議を密に行い、集めたデータを生かした的確な戦術で、相手の長所を消し、自分たちの長所を最大限に生かすサッカーをモットーとする。

 川崎F監督時代には、破壊力のある攻撃サッカーを展開し、04年度は勝ち点105でJ2優勝し、就任1年目でチームをJ1に昇格させた。同チームで06、09年度はJ1リーグ2位、07、09年ナビスコ準優勝などの好成績を残し、サポーターからの人気も高い。

 千葉は現在、J2リーグを5位で終え、プレーオフ初戦で横浜FC(同4位)を4-0で破り、同決勝に進出。J1復帰へ王手はかけたが、レギュラーシーズンで低迷したことで、木山隆之監督(40)の続投が決まっていない状況だ。千葉関係者は「来季の監督のことは、決勝が終わってから」と話している。今後の展開次第では、年内に「関塚千葉」が誕生する可能性もある。

 ◆関塚隆(せきづか・たかし)1960年(昭35)10月26日、千葉県生まれ。FWとして八千代高から早大を経て、84年から本田技研入り。91年に引退後、早大監督として大学選手権優勝。93年から鹿島や清水のコーチを歴任。04年にJ2川崎Fの監督に就任し、1年でJ1昇格。08年途中に体調不良で辞任も、09年に復帰し同年で再辞任した。10年秋の広州アジア大会から五輪代表監督を務め、今夏五輪で68年メキシコ大会(3位)以来の4強入りを果たす。家族は夫人と1男1女。176センチ。血液型A。

 ◆ジェフユナイテッド市原・千葉

 1946年(昭21)に古河電工サッカー部として横浜市で創部。三菱重工、日立製作所と「丸の内ご三家」としてサッカー界に影響力を持ち、多くの日本協会幹部や日本代表選手を輩出。87年に奥寺康彦、岡田武史らでアジアクラブ選手権優勝。91年にJリーグ参入を目指しJR東日本と新会社を設立し、ホームを市原市(後に千葉市に移転)とした。本拠地はフクダ電子アリーナ。今季はリーグ5位でJ1昇格プレーオフに進出し、準決勝で横浜FCを下し決勝進出を決めている。